2013年09月30日

9月の一冊

読書の秋ですねぇ。

いつものように今月も14冊。

・「セックス レスキュー」大橋希
・「もっと美味しくビールが飲みたい 酒と酒場の耳学問」端田晶
・「食べたつもりで」千宗之
・「作家の放課後」yom yom編集部編
・「煙か土か食い物」舞城王太郎
・「奴の小万と呼ばれた女」松井今朝子
・「美味方丈記」陳舜臣 錦墩
・「幻夜」東野圭吾
・「8時だョ!全員集合伝説」居作昌果
・「トッカン 特別国税徴収官」高殿円
・「なぞ食探偵」泉麻人
・「フジコ・ヘミング 魂のピアニスト」フジコ・ヘミング
・「小林よしのり論序説 ゴーマニズムとは何か」呉智英・編
・「魔の牙」西村寿行

「セックス レスキュー」、問題化している(?)夫婦のセックスレス。

そんな妻たちに救いの手を差し伸べる組織のルポ。

でもこれは賛否両論あるでしょう。

「もっと美味しくビールが飲みたい 酒と酒場の耳学問」、私は酒飲みですけどビールはあまり飲まないんです。

しかしお酒好きなら楽しく読める一冊です。

「食べたつもりで」、著者は裏千家の若宗匠(当時)。

なので文章に関しては可もなく不可もなくといったところ。

「作家の放課後」、作家がいろんなことに挑戦。

こういうのは作家の素の顔が伺えて楽しいですね。

「煙か土か食い物」、作者のデビュー作。

荒削りなパワーと緻密な文章。

あっぱれです。

「奴の小万と呼ばれた女」、なんといっても小万のキャラですね。

もちろんその魅力は作者の手腕です。

「美味方丈記」、夫婦共著の食エッセイ。

こういうのは珍しいですね。

「幻夜」、たっぷり読み応えのあった一冊。

強烈な個性というかアクはありませんけども、無難に上手い作家さんだなと思います。

「8時だョ!全員集合伝説」、子供のころ毎週観ていた番組です。

そんな番組のたいへんな舞台裏が描かれています。

「トッカン 特別国税徴収官」、けっこうテレビドラマ向けの設定かもなんて思っていたらちゃっかりドラマ化されていたんですね。(笑)

テレビはほとんど観ないので知りませんでした。

「なぞ食探偵」、内容が想像つかない名前の料理を注文して食べてみる食エッセイ。

こういう企画のほうが流行の店訪問よりもよほど面白いです。

「フジコ・ヘミング 魂のピアニスト」、著者はフジコ・ヘミングとなっていますが、おそらくライターが書いたのでしょう。

だって自分で書いたとしてタイトルに「魂のピアニスト」なんて付けますか。(笑)

もうちょっと考えたれよ、ライター&編集者。

「小林よしのり論序説 ゴーマニズムとは何か」、いろいろと物議を醸した「ゴーマニズム宣言」。

漫画という若者に対しての影響が大きいジャンルだけに、作者の思想を鵜呑みにする人が多いのではないかと大きなお世話な心配。

まあ納得するならそれでもいいんですけど。

「魔の牙」、極限状態に追い込まれた人間の言動を容赦なく描きます。

もちろん寿行カラーで。(笑)

さてさて今月は。

決定的な一冊はなし。

無難なところでは「奴の小万と呼ばれた女」、「幻夜」でしょうね。

個人的な好みでは「魔の牙」です。

私は西村寿行を崇拝していますし。(笑)

ですが新鮮なインバクトを受けたということで「煙か土か食い物」舞城王太郎を選びたいと思います。

今月はこれでいきましょうか。

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posted by たろちゃん at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月28日

「魔の牙」西村寿行

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仕事帰りの銀行支店長を拉致し脅して金庫を開けさせ、1億8千万円を奪った中原と長島。

二人は逃亡し、長島は警察に捕まりますが中原はどうやら南アルプスに姿を隠したようです。

刑事の涸沼凉介は台風が近づいているにもかかわらず、中原を追って南アルプスに入ります。

山中で暴風雨に見舞われ、涸沼はどうにか鹿沢荘という湯治場に避難します。

そこにいたのは経営者夫婦、わけありの老夫婦、女の一人客。

涸沼と同じく暴風雨に巻き込まれ避難してきたのは女子大生4人組、東京地検の検事、犬を連れた地元の漁師、新婚夫婦、会社員と名乗る男。

長島から情報を得て中原から1億8千万円を奪おうと跡を追って来た暴力団4人組まで。

そして最後にやって来たのが犯人の中原。

外には出られず外部と連絡も取れない孤立した山荘にいろんな人物が集まります。

しかし激しい暴風雨に山荘はだんだんと崩壊していきます。

それだけではなく絶滅したはずの日本狼の群れが山荘を取り囲むのです。

狼たちは狂犬病に冒されており、建物が崩壊すれば皆の命はありません。

閉じ込められた山荘の中で、人間たちはパニックになりながらどのような行動を取るのか・・・・。

ミステリーのジャンルとして“吹雪の山荘もの”というのがありますけども、この作品のシチュエーションはまさしくそれですね。

普通ならこの中で1人ずつ殺されてゆき、犯人は誰だとかどのような方法でとかなるわけですが、さすがに西村寿行はそんなのは書きません。

書かれるのは極限状態に置かれた人間の心理ですよね。

そして狂気、自身の生き様など。

こうなると寿行作品として当然女は男に体を投げ出すことになります。(笑)

それはともかくとしまして山荘が崩壊していく描写も緊迫感がありますが、なにより日本狼を配置するあたりが西村寿行ですね。

最後はどのようになるのだろうと思っていたら、う~ん、そのような結末に・・・・。

これもやはり西村寿行らしいラストだと思いました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 06:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 『に』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月26日

「小林よしのり論序説 ゴーマニズムとは何か」呉智英・編

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「ゴーマニズム宣言」。

漫画家、小林よしのり氏による言論漫画です。

何巻まであるのか把握していませんが、ベストセラーになりましたねぇ。

そもそも言論界(そんな世界があるのかどうかよく知りませんけども)なんてごくごく一部の人たちがあーだこーだと難しいことを発言している世界でした。

もちろん文章で。

そんな世界に小林氏は漫画で切り込んでいったわけです。

もちろん評論家だの思想家だのといった肩書きではなく漫画家として。

これには”業界”の人たちもたまげたわけです。

漫画の表現力というのは文章の比ではなかったりします。

もちろんすべてではありませんけども。

なのでこのインパクトはすごかったですね。

なによりもそれまで言論界に無縁だった人たちが漫画という媒体のおかげでそういう世界に目を向けたことは大きな成果でしょう。

本書は小林氏を支持するというスタンスです。

アンチ派からすれば面白くないかもしれません。

そして漫画家・小林よしのりを分析する本でもあります。

これは1995年の出版。

氏の現在の立場や言動、それらと見比べてみるのも一興でしょう。

 

ラベル:書評・作家
posted by たろちゃん at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 『く』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月24日

「フジコ・ヘミング 魂のピアニスト」フジコ・ヘミング

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聴力を失ったピアニストとして知られるフジコ・ヘミング。

現在は左耳は半分ほど回復しておられるそうですが。

そんな彼女の自伝です。

ドイツ系スウェーデン人の建築家の父とピアニストである日本人の母とのあいだに生まれました。

毎日厳しい母によるピアノの稽古があります。

そして小学5年生のときにクロイツァーに師事。

パーンスタインにも認められるのですが、16歳のときに中耳炎をこじらせて両耳の聴力を失います・・・・。

音楽家として聴力を失うというのは大きなハンデですよね。

しかしそんな苦難を乗り越えて日本では有名なピアニストとなりました。

まあそんな内容なのですが、なんだか思いのほかあっさりと読めてしまって読み物としてはちょっと拍子抜けな感あり。

あくまで読み物としてのこの本の感想であって、彼女の半生に対しての感想ではありませんので念のため。

本書の感想とは別の話ですが、彼女が一躍ブレイクしたのはNHKのドキュメント番組で取り上げられたからなんですよね。

ある意味祭り上げられた部分もなきにしもあらず。

個人的にはピアニストとしての実力はどうなんだろうという思いはあります。

でも好きですけどね。

「奇蹟のカンパネラ」はウォークマンに入れてしょっちゅう聴いていますし。

ラベル:エッセイ
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2013年09月22日

「なぞ食探偵」泉麻人

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メニューを見て名前だけではわからない料理ってありますよね。

著者が見つけたそんな気になる料理を検証したのがこの本です。

例えばいちばん最初に紹介されているのは東京日本橋にある「レストラン東洋」という店の『ドイツ風ライス』。

いったいなにがドイツ風なのか。

著者は注文してみます。

出てきましたのは、土鍋に入ったオムライス風のもの。

“マッシュルームやピーマンをちりばめたケチャップライスに卵の薄皮をかぶせて、上にデミグラスソースがかかっている。変わった具といえば、カニのむき身が一つあった。”

なぜこれがドイツ風なのか。

店員曰く「十年ほど前に店の二代目チーフがドイツのハノーバーあたりの料理を参考に考案したもの」だとか。

実際にハノーバーというところにそのような料理があるのかどうか、あったとしてもそれをドイツ風と国を代表するかのように名乗っていいものなのか。(笑)

ま、そんなこんなで他の料理にも色々と由来はあるようです。

ちなみに私の住んでいる大阪では千日前にあるお笑いで有名な「なんばグランド花月」近くの「千とせ」の肉吸い、西心斎橋はアメリカ村のはずれにある「ニューライト」のセイロンライスが紹介されています。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 06:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする