2013年09月20日

「トッカン 特別国税徴収官」高殿円

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悪質な税金滞納者の事案を扱う特別国税徴収官。

略してトッカン。

25歳のぐー子こと鈴宮深樹はそんなトッカン付きの新米徴収官です。

鬼上司の鏡特官の下で滞納者の取り立てに奔走する毎日ですが・・・・。

面白いモチーフを取り上げられましたね。

映画では「マルサの女」なんてありましたけども。

まあいわゆる『ギョーカイもの』なわけですが、このようなジャンルで必要なのは当然その業界の知識です。

でもそれだけでは面白くありません。

裏話といいますか、業界の人しか知らないようなエピソードがありませんと。

この作品ではそのあたりはさほどディープではないように思います。

脱税の抜け道をめぐっての攻防というよりは、むしろ人情話ですね。

そして主人公の成長物語。

一般市民の感覚による公務員に対しての批判もけっこう出てきますので、公務員の方々は耳が痛いのではないでしょうか。(笑)

作者の本音もありましょうし、ストーリーの味を深くするスパイスでもあるのですが。

なかなか楽しめました。

すでに続編も出ていますので、ぜひ読んでみたいと思います。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 10:43| Comment(1) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月18日

「8時だョ!全員集合伝説」居作昌果

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昔の土曜日の夜8時といえば。

もちろん「8時だョ!全員集合」です。

といっても若い人たちは知らないでしょうね。

いや、知っていても生放送では知らないでしょう。

この番組は1969年から1985年まで放送されました。

なので30歳以下の人はこの怪物番組を目の当たりにしておられません。

なにが怪物か。

なんとピーク時には視聴率50%以上を叩き出しています。

しかもすべて生放送なのです。

そんな怪物番組を育てたのがプロデューサーであった著者です。

その舞台裏は・・・・。

タイトルにもあるように、まさに伝説ですよねあの番組は。

とにかくあちこちの公民館から毎週生放送していたというのがすごい。

なのでもちろんトラブルもあります。

有名なエピソードといえば火事ですね。

そして停電。

生放送ですよ。(笑)

そんなエピソードやらドリフターズのメンバーのいろいろやら、もちろんこの番組が作成されるいきさつやら。

「8時だョ!全員集合」を毎週楽しみにしてテレビの前に集まっていた当時の子供たち。

今は立派なオッサンオバハンでしょう。(笑)

懐かしく思い出しながらこの本を読まれてみてはいかがでしょうか。

ラベル:エッセイ
posted by たろちゃん at 18:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月16日

「幻夜」東野圭吾

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水原雅也の父親は閉鎖した工場と借金を残して自殺します。

葬式にやってきた叔父は生命保険の金を目当てに借用書をちらつかせます。

そんなときにあの阪神淡路大震災が襲ったのです。

雅也は瓦礫の下敷きになった叔父のポケットから借用書を抜き取り、まだ息のあった叔父の頭に瓦を叩き付けて殺害します。

「これで借金はちゃらになる・・・・」

ところがそれを目撃していた女がいたのです。

女の名前は新海美冬。

二人は一緒に行動するようになり、東京に出ます。

美冬はその美貌と頭のよさを武器に、そして犯罪にさえ手を染め、どんどんと社会の上へと登っていきます。

もちろんその手伝いをするのは雅也です。

しかし雅也は美冬のあまりにも大胆で冷めた行動に逡巡し、自分に対する愛情に疑問を持ちます。

そしてそもそも美冬という女は何者なのか。

美冬の行動を訝しみ周辺を嗅ぎ回る刑事、そして雅也もまた美冬の正体を知ろうとするのですが・・・・。

この作品は「白夜行」の続編といわれていますね。

「白夜行」を読んだのはずいぶんと前であまり内容は覚えていないのですが、そういえば美冬と「白夜行」の雪穂のキャラは共通しています。

まあ続編であろうがなかろうがどちらでもいいのですが、私はこの作品のほうがよかったです。

細かいツッコミどころはありますが、しかし780ページというブックカバーに収まらない分厚さにもかかわらず(笑)、まったくだるさを感じさせずに読めました。

これはこれで独立した作品として、誰しもが楽しめる佳作ではないでしょうか。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月14日

「美味方丈記」陳舜臣 錦墩

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直木賞作家とその奥さんによる食エッセイ。

お二人で書いておられまして、どの文章をどちらが書いておられるのかはわかりませんが。

読んだ限りではひとつの章でも二人がかりで書いておられるような感じですね。

まあそれはどちらでもいいのですが。

お二人とも中国人なので取り上げておられる料理はすべて中国料理です。

決して食通ぶった内容ではなく、ご夫婦の掛け合いが微笑ましい内容でした。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ち』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月12日

「奴の小万と呼ばれた女」松井今朝子

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お雪は大阪の薬種屋と炭屋を商う豪商の娘です。

場所は今でいう島之内あたり。

幼いころから体が大きく、柔を習うなど気性も荒い。

男相手に大立ち回りを演じるなど界隈では有名人となり、道頓堀の芝居小屋では人形芝居にもなって上演されるほど。

そんな豪快な女侠客の生涯を描きます・・・・。

どうやら実在した人物のようですね。

私は無知なものでまったく知らなかったのですが。

この時代にこんな型破りな女性がいたのかと驚きます。

今でこそ女性の言動に縛りはありませんけども、この当時で現代の女性ほどの言動をしていた奴の小万ことお雪は相当な人物ですね。

実に痛快です。

ですがやはり女性ならではのハンデを思い知らされたりもします。

このような人物をモチーフにし、その人物像を深く掘り下げ読み応えじゅうぶんな作品に仕上げた作者の力量が素晴らしい。

堪能しました。

ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 06:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ま』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする