2013年10月21日

「浮世でランチ」山崎ナオコーラ

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私こと丸山君枝は14歳の中学2年生。

犬井という女言葉を使う幼馴染みの男友達がいます。

同じクラスのタカソウや新田、鈴木君たちと犬井の部屋で宗教ごっこをしたり。

そこでテーブルの裏に貼り付けた手紙で神様とやりとりをしたり。

そんな14歳の生活と25歳になった生活が交互に描かれています。

「今すぐ25歳になりたいわ」

「25歳になったら落ち着いているのかな?」

「たぶん。義務教育も終っているし、自由なんじゃないかしら?」

犬井とそんな会話を交わします。

25歳になった私は会社を辞め、東南アジアへ一人旅に。

私は旅先でなにを見、感じるのか。

中学校を卒業して家庭の事情でミャンマーに行ってしまった犬井に合えるのか・・・・。

場面の切り替えがちっょと唐突ではありますが、14歳と25歳の対比が鮮やかですね。

会社の先輩だったミカミさんとの旅先からのメールでのやりとりは、14歳時の神様とのやりとりとダブります。

これといった大きなドラマがあるわけではないのですが、さっきと今は違うし、もちろん14歳の時と25歳になってからは自分にも周りにも変化があります。

そんなことをほのぼの眩しく感じさせてくれました。

ラベル:小説
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2013年10月19日

「「料理研究家」たち」宮葉子

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テレビや女性誌なんかにしょっちゅう「料理研究家」といわれる人たちが出ておられますね。

書店の料理本コーナーでもいろんなそういう人たちの本が置いてあります。

この本ではそんな「料理研究家」の中でも人気の女性5人を取り上げておられます。

藤野真紀子、有元葉子、上野万梨子、北村光代、枝元なほみ

現在の地位になるまでのいきさつや料理についての考え方、仕事の現場など、著者が密着して取材しておられます。

この本を読みましたら、若い女性で料理研究家志望の人が多いみたいですね。

今や料理人は売れればちょいとしたタレント並の扱いですし。

この中では私は枝元なほみさんがいいかな。

テレビで何度か拝見していますけども、キャラがいいですよね。

ちなみに私が好きな料理研究家は、土井善晴さん、コウケンテツさん。

奥薗壽子さんも実践的でいいかも。

ラベル:グルメ本
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2013年10月17日

「音もなく少女は」ボストン・テラン

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貧困な家庭に生まれ、耳が聴こえない少女イヴ。

父親のロメインは母親のクラリッサに暴力を振るうろくでもない男です。

しかも麻薬の売人。

取引にイヴを利用するような男です。

そんなイヴとクラリッサはフランという過去に傷を持った女性と知り合い、家族のように付き合うことになります。

フランはイヴにカメラを与え写真を教えます。

イヴはつねにカメラを持ち歩き、あらゆる写真を撮ります。

そしてチャーリーという恋人ともめぐり逢うのですが・・・・。

久しぶりの翻訳もの。

この作者は他の著書で2001年の「このミステリーがすごい!」で第1位に選ばれ、「日本冒険小説協会大賞」にも選ばれ、「イギリス推理作家協会新人賞」も受賞しておられるとのこと。

しかし巻末の解説で北上次郎氏は冒頭に「この長編がボストン・テランの作品であることを忘れていただきたい」と書いておられます。

つまりそれまでとはまったく違う作風ということなんでしょうね。

私の場合、忘れるどころが初めて読む作家さんなので都合がよかったのかどうなのか。

たしかにミステリーというのとはちょっと違う気もします。

ハードボイルドでもありません。

まあジャンル分けしたところでなんの意味もないでしょう。

荒廃した街の貧困な家庭に生まれ、聾者として生きていく女性の生々しく哀しい運命の物語です。

物語の展開はイヴやその他の女性にとって冷徹です。

ですがそれだけにはっきりくっきりと女性たちの生き様が浮かび上がってくるのですね。

どっしりとした一冊でした。

ラベル:海外小説
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2013年10月15日

「魯山人の美食手帖」北大路魯山人 平野雅章 編

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北大路魯山人。

この人物の肩書きはなんと記せばいいのでしょうか。

陶芸家であり書家であり。

もちろん美食家としても知られていますよね。

おそらく美食家という肩書きがいちばんしっくりとし、ご本人も納得されるのではないかと思いますが。

陶芸も結局は自身の料理に合うための器ということが根本になっていますしね。

しかしまあ本書もそうですし他の本でもそうですが、言動が傲慢きわまりない。(笑)

料理に関しても日本料理が世界でいちばんであると断言しておられます。

フランス料理など一刀両断。

中国料理も却下。

時代もありましょう。

野菜についても日本産を持ち上げておられますが、現在においては日本の野菜は昔の味を失ってしまっているという意見も多数あります。

しかしいいものはいいと認める柔軟性も持っておられ、行く前は否定的だったハワイやアメリカで出会った料理を高く評価したりもしておられます。

とにかくひじょうに面白いおっさんであります。

まあ芸術家なんてだいたいそうですし、天才とか評される人たちなんて個性が突出していますもんね。

食に興味のある人、魯山人はとりあえず読むべし。

ラベル:グルメ本
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2013年10月12日

「剣客商売 春の嵐」池波正太郎

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シリーズ第10弾です。

秋山大治郎の名を騙り辻斬りを繰り替えす侍が出没します。

しかも狙われるのは老中田沼意次を快く思っていない松平定信の家臣です。

大治郎は意次の娘である三冬の夫。

そして田沼邸の道場で家臣たちに稽古をつけている身でもあります。

松平定信が騒ぎ立てます。

疑いのかかった大治郎は潔白を証明する為に家を出ることができません。

父の小兵衛が四谷の弥七や傘屋の徳次郎を使って探り始めます。

しかしついには田沼の家臣まで斬られるのです。

いったい何者が大治郎を陥れようとしているのか・・・・。

シリーズ初の長編です。

10冊目にして特別編といったところでしょうか。

小兵衛ファミリー総動員といった印象です。

さすがに長編だけあって事件の解決には手こずります。

でないと短編になってしまいますもんね。(笑)

これはこれで楽しめましたが、やはりいろんな話を楽しめる従来の連作短編形式のほうが私はいいですかね。

ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 06:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする