2013年10月08日

「神楽坂ホン書き旅館」黒川鍾信

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ホン書き旅館。

このホンというのは映画の脚本のことでして、脚本家や映画監督がカン詰めになってホンを書くための旅館のことをいいます。

神楽坂の路地の奥にひっそりと佇む「若可菜」。

いろんな映画関係者がここでホンを書き、出世し、名作を生み出しました。

今井正、内田吐夢、山田洋次、深作欣二・・・・。

後には野坂昭如色川武大中上健次高橋三千綱などの作家にも利用されたようです。

女将の名は和田敏子。

女優・木暮美千代の妹さんです。

姉の付き人のようなこともやっておられまして、そういう関係もあり「若可菜」は映画関係者によるホン書き旅館となっていったのですね。

ここでホンを書くと出世することから「出世旅館」なんて呼ばれたりもしたそうです。

ここにカン詰めされるようになると一流と認められたことになり、涙した人もいたとか。

山田洋次監督が「日本アカデミー賞特別功労賞を差し上げようではないか!」と著書に書いておられるそうですが、それだけ日本映画界に関わってこられた旅館なんですね。

でも今はこのような旅館が利用される時代でもなくなってきました。

寂しい話ではあります。

なので本書は貴重な記録だといえるでしょう。

posted by たろちゃん at 12:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 『く』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする