2013年11月16日

「ホンの幸せ」氷室冴子

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いろんな雑誌に書かれたエッセイや文庫本の解説などがまとめられてあります。

タイトルから察せられるようにメインは本についての文章です。

正直言いまして内容に関してはあまりピンとこず。

私にとってはイマイチでした。

氷室冴子氏といえばコバルトで活躍された作家さんで私もリアルタイムで「クララ白書」や「雑居時代」を読みましたけど、どうも馴染めなかった印象があります。

その後、平安の貴族物やファンタジーのほうにいかれてからはまったく読んでいません。

それらのジャンルに興味がないのもありますが、なんだかあまり相性が合わないんでしょうね。

というわけで本書もどうも入り込んで読めませんでした。

すみません。

ちなみに氷室氏は51歳という若さで逝去。

早すぎますね・・・・。

ラベル:書評・作家
posted by たろちゃん at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月14日

「小夜しぐれ みをつくし料理帖」高田郁

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いつものように連作で4編収録です。

今回はいろんな面で大きな動きがありました。

最初の「迷い蟹 浅蜊の御神酒蒸し」では、澪が働いている「つる家」店主、種市の娘おつるが亡くなったいきさつが描かれています。

切ない話です。

次の「夢宵桜 菜の花尽くし」では、澪が吉原の「扇屋」の花見の宴の料理を作ることになります。

「扇屋」といえば吉原廓でも大見世であり、澪の幼馴染みでもある幻といわれるあさひ太夫がいる廓です。

そんな中でも上客な十人を満足させられる料理を作ることができるのか。

そして澪は野江ことあさひ太夫と逢うことはできるのか。

表題作の「小夜しぐれ 寿ぎ膳」では、伊勢屋の娘であり澪の友人でもある美緒が結婚します。

医者の源斉への想いを断ち切って。

しかしその決断には澪も間接的に関わっているのです。

最後の「嘉祥 ひとくち宝珠」では、澪たちは出てこず、なんと小松原が主人公となっています。

御膳奉行である小松原の姿にぐっと迫りました。

相変わらずいいですねぇ、このシリーズ。

「夢宵桜 菜の花尽くし」では澪が口の肥えた客たちを満足させられるのかというのを主題に、野江ことあさひ太夫との邂逅を読者に期待させます。

あさひ太夫登場のシーンは圧巻でした。

そして「扇屋」の店主から吉原に店を出さないかと持ちかけられ、澪の心は揺れ動くのです。

「嘉祥 ひとくち宝珠」、小松原にスポットを当てた短編。

小松原の他に登場人物は妹の早帆。

そしてその夫でもあり小松原の竹馬の友でもある義理弟の弥三郎。

本人が自覚しないままに澪を想う小松原を早帆は見逃しません。

今回は実によかったですね。

ますますこの先が楽しみになってきました。

posted by たろちゃん at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月12日

「そして誰もいなくなった」アガサ・クリスティー

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さまざまな理由で孤島に招かれた10人の男女。

年齢や職業もばらばらです。

しかしその島の持ち主であるU・N・オーエンという人物はいません。

最初の食事で皆が食卓に着いたとき、集まった10人が過去に犯した殺人を告発する声がどこからともなく聞こえてきます。

隣の部屋に仕掛けられたレコードでした。

そして童謡の内容に合わせ、1人ずつ謎の死を遂げていきます。

その都度テーブルにある人形の数も減っていき・・・・。

誰もが知るミステリーの名作ですね。

1939年に書かれて以来、世界中で今日までずっと読み継がれています。

なので非常にすぐれた作品なのでしょう。

私にはあまりそのよさがわかりませんでしたが。

得体の知れない相手に招待されてほいほいと孤島に出かけるなんてあり得ませんし、そんな中で1人ずつ殺されていくという非現実的な出来事を前に皆の精神状態が普通すぎます。

もちろん疑心暗鬼になりはするのですが、もし現実なら気が狂わんばかりのパニックになるはずです。

落ち着いて食事したり会話したりしてる場合ではないでしょう。(笑)

なので人物描写がよくできているとの評もありますが、私にはとてもそうは思えません。

まあこれは私が海外小説に感情移入できないのが原因かもしれませんが。

最後の長々としたタネ飽かしもお決まりのパターンですし、内容も苦笑ものです。

ということで私には合わない小説でした。

ラベル:海外小説
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2013年11月10日

「途方にくれて」立松和平

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短編5編収録。

表題作が立松和平のデビュー作といってもいいですかね。

他の4編はすべて病を抱えて先のない母親について書かれていますが、表題作は外国を旅して金をパクられた主人公がポケットに残っていた金でどうにか沖縄にたどり着き、そこでなんとか仕事にありついての生活が描かれています。

船で知り合った“ヒゲ”と飲み屋に雇ってもらい、店の女と同棲し、客のアメリカ兵たちと喧嘩の毎日です・・・・。

20年以上前に読んだきりなので、内容はさっぱり忘れていました。

なので新鮮な気分で読むことができましたし、やはり立松和平はいいなぁと思えました。

しっかりと生活感を感じます。

世間にとっては何者でもない一個人ですが、しかし生活があり人生がある。

そんな中でいろいろと問題を抱え、毎日を過ごしていく。

みっちりした文体でコツコツと書かれたそれはエンターテイメントではありませんが、実に味わい深い。

いい作品集です。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月08日

「同期生 「りぼん」が生んだ漫画家三人が語る45年」一条ゆかり もりたじゅん 弓月光

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集英社の少女漫画誌「りぼん」。

1967年に第1回の新人賞が催されたのですが、そのときに入賞したのが次の3人。

一条ゆかり、もりたじゅん、弓月光。

いまや大御所ですよね。

そんな3人の45年にも及ぶ漫画家生活が語られています。

しかし45年も現役ってすごいことですよね。

当たり前のことですが、オンギャーと生まれた赤ちゃんが45歳のオッサンオバハンになっている歳月ですよ。

その間ずっと漫画家をやってこられたわけです。

しかも第一線で。

そんな稀有な才能を3人も同時に輩出した「りぼん」の第1回新人賞もまたすごい。

少女誌の漫画家というのはあまり取り上げられることがありませんし(この3人はその後レディースコミックや青年誌でご活躍)、漫画の歴史でも少女漫画はさほど重要視されていません。

なのでこの本はなかなか資料としても貴重なものだと思います。

ラベル:漫画本
posted by たろちゃん at 02:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする