2013年11月14日

「小夜しぐれ みをつくし料理帖」高田郁

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いつものように連作で4編収録です。

今回はいろんな面で大きな動きがありました。

最初の「迷い蟹 浅蜊の御神酒蒸し」では、澪が働いている「つる家」店主、種市の娘おつるが亡くなったいきさつが描かれています。

切ない話です。

次の「夢宵桜 菜の花尽くし」では、澪が吉原の「扇屋」の花見の宴の料理を作ることになります。

「扇屋」といえば吉原廓でも大見世であり、澪の幼馴染みでもある幻といわれるあさひ太夫がいる廓です。

そんな中でも上客な十人を満足させられる料理を作ることができるのか。

そして澪は野江ことあさひ太夫と逢うことはできるのか。

表題作の「小夜しぐれ 寿ぎ膳」では、伊勢屋の娘であり澪の友人でもある美緒が結婚します。

医者の源斉への想いを断ち切って。

しかしその決断には澪も間接的に関わっているのです。

最後の「嘉祥 ひとくち宝珠」では、澪たちは出てこず、なんと小松原が主人公となっています。

御膳奉行である小松原の姿にぐっと迫りました。

相変わらずいいですねぇ、このシリーズ。

「夢宵桜 菜の花尽くし」では澪が口の肥えた客たちを満足させられるのかというのを主題に、野江ことあさひ太夫との邂逅を読者に期待させます。

あさひ太夫登場のシーンは圧巻でした。

そして「扇屋」の店主から吉原に店を出さないかと持ちかけられ、澪の心は揺れ動くのです。

「嘉祥 ひとくち宝珠」、小松原にスポットを当てた短編。

小松原の他に登場人物は妹の早帆。

そしてその夫でもあり小松原の竹馬の友でもある義理弟の弥三郎。

本人が自覚しないままに澪を想う小松原を早帆は見逃しません。

今回は実によかったですね。

ますますこの先が楽しみになってきました。

posted by たろちゃん at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする