2013年12月21日

「肝、焼ける」朝倉かすみ

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表題作他4編。

「肝、焼ける」、31歳の真穂子は24歳の御堂くんと遠距離恋愛中。

いまいち御堂くんの態度がもどかしい真穂子は、東京から彼の住む稚内をこっそりと訪れます。

地元のいろんな人たちと出会いながら御堂くんに近づいていくのですが・・・・。

『肝焼ける』というのは北海道の方言で、『じれったい』とか『いらいらする』とかいうような意味だそうです。

御堂くんの態度に肝焼ける真穂子の言動というか、キャラがいい。

些細なことにイラッときたり余計なことを口走ったり、他の作品の主人公にも共通したキャラですね。

私は表題作よりも「コマドリさんのこと」がよかったです。

これが作者のデビュー作なわけですが、実に巧みな小説だと思います。

やはりキャラがいいですし、この作者は言葉の言い回しに独特な魅力がありますね。

「田村はまだか」を読んだときはあまり思わなかったんですけど、先にこちらを読んでいればまた違った印象を持ったかもしれません。

ラベル:小説
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2013年12月19日

「鮨水谷の悦楽」早川光

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銀座の『鮨水谷』。

ミシュラン東京版で3ツ星を維持している鮨屋です。

そんな名店を漫画「江戸前鮨職人 きららの仕事」の原作で知られる著者が、12ヶ月の取材で魅力を伝えておられます。

月ごとに著者が鮨を味わい、カラー写真で紹介されています。

どの鮨も形が美しい。

魚には旬がありますから季節の移ろいを目で感じることができます。

マグロは絶対に欠かせない鮨だねですので毎月登場しますが、その都度まったく質が違うんですね。

獲れる場所で違う。

大きさで違う。

季節で違う。

その魚自体の個性で違う。

当たり前のことですし、もちろん他の魚でも同じことですが。

そんな条件の中で最高の品質の魚を仕入れるのも鮨屋のこだわりであり格であり職人の目利きでありましょう。

そして仕入先との信頼関係。

最高峰の鮨職人の仕事を知ることができる目でも楽しめる一冊です。

ラベル:グルメ本
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2013年12月17日

「赤塚不二夫120%」赤塚不二夫

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ギャグマンガの巨匠、故・赤塚不二夫が半生を語っておられます。

子供の頃、そしてマンガ家になってからのエピソード。

もちろんトキワ荘時代なんかもしっかりと書かれています。

タモリとの出会いなども。

時代もあるのでしょうが、周りのマンガ家にしろ編集者にしろ、その他のジャンルの人たちにしろ、みな個性的ですし付き合い方が今ではちょっと考えられなかったりしますね。

もちろん赤塚氏の人徳もあるのでしょう。

そもそもが人見知りするタイプだそうですが、しかし作品だけではなく自らもギャグを実践しておられましたね。

ほんとに面白いことが好きな人だったんだなと。

ラベル:漫画本
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2013年12月15日

「親爺シェフ3人 フランス料理にもの申す」北島素幸 田代和久 谷昇

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3人のベテランフランス料理シェフが対談形式でもの申しておられます。

『北島亭』北島素幸、『ラ・ブランシュ』田代和久、『ル・マンジュ・トゥー』谷昇の各氏です。

皆さん有名な店のシェフですよね。

もの申すなんていうと大層ですが、現在(2003年)の時点でのご自身の店の状況を基本に、個人的な希望やフランス料理界全体について述べておられます。

私から見れば3人さんはじゅうぶんにスターシェフだと思うのですが、かつかつの経営をなさっておられるようで。

たしかに皆さんテレビに出まくってという人たちではありませんもんね。

店よりもマスコミでの露出で稼いでいるんじゃないかという料理人も多いですから。

それぞれの店に訪問したことはありませんけども、専門誌の情報など見ましたら質実剛健なイメージがありました。

本書を読みましたらまさしくという感じですね。

私が住んでいる大阪にはこのようなフランス料理店はないように思えます。

寿司屋もそうですね。

やはり飲食に関しては東京はレベルが高いなと思ってしまいます。

というか、層が厚いんですね。

それはともかく、これからはフランス料理界にもどんどんと“親父シェフ”が増えてきます。

“親父シェフ”たちが今後どのような方向に進むのかということも示唆されています。

そしてもちろん若手シェフも増えてくるわけです。

本書が若手シェフの参考書となればいいのですが。

なのでフランス料理を志しておられる人たちにはぜひこの本を読んでいただきたいと思います。

って料理にド素人の私がなに言ってんだか。(笑)

ちなみに発行元は柴田書店。

さすがにミーハーではなくしっかりとした内容に編んでおられます。

ラベル:グルメ本
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2013年12月13日

「町長選挙」奥田英朗

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シリーズ第3弾。

迷精神科医の伊良部一郎が今回も思いっきりかき回してくれます。(笑)

表題作は伊良部が離れ小島に赴任することになります。

島では町長選挙の真っ最中。

昔から勢力を2分している2人の候補はお互いを貶しあうまさに戦争状態。

東京の大病院の院長の息子である伊良部は特別養護老人ホーム建設の政策に取り込まれ、賄賂が飛び交い、もうめちゃくちゃに・・・・。

いつもながら伊良部のキャラがいいですね。

そして看護師のマユミ。

表題作他3編が収録されていますが、「オーナー」は読売のナベツネをモデルとした人物、「アンポンマン」はホリエモンをモデルにした人物が登場します。

「カリスマ稼業」は黒木瞳と川島なお美かな。

現実の人物を皮肉ってて面白い。

このシリーズ現在のところ第3弾までですが、もう出ないんですかね。

面白いのでもっと読みたい気もするし、あまり続いてもなぁという気もします。

マンネリになってレベルダウンするくらいならこのままでいいと思いますし。

まあこれはこれとして、作者の他の作品も楽しんでいきたいと思います。

ラベル:小説
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