2014年01月06日

「貝紫幻想」芝木好子

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東京に暮らし、出版社の編集部に勤めている圭子。

鎌倉でひっそりと隠居のような生活をしている母の雪子のもとに週1度帰ってきます。

ある日京都から雪子の異母弟である泰男が鎌倉を訪ねてきます。

泰男は京都の大学で講師をしており、幻の染料である『貝紫』を追い求める研究家です。

泰男に惹かれながら同じく『貝紫』の魅力にも惹かれていく圭子。

圭子と泰男は血の繋がった叔父と姪という間柄でありながら、男と女として惹かれあい愛し合ってしまうのです。

実は母の雪子も若い頃病死した天才画家の兄にそのような気持ちを抱いたことがあり、いまだその呪縛にとらわれています。

なんとか2人の禁忌の愛を諦めさせようとする雪子ですが・・・・。

近親の愛に『貝紫』という幻の染料を追い求めるというロマンを絡ませ、やや耽美的で深遠な世界を描いています。

芝木作品の中でもかなりの長編であり、力作ですね。

無教養なもので『貝紫』という染料があることをこの作品を読むまで知りませんでした。

いい本を読ませていただいたと思います。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする