新宿歌舞伎町に設立された「東京都立水商業高等学校」。
通称「都立水商」。
なんと水商売を専門に教育する高校です。
ホステス科、マネージャー科、バーテン科、ソープ科、ヘルス科、ホスト科、ゲイバー科。
集まってきた新入生は中学時代に問題を抱えていた生徒ばかりです。
先生たちの奮闘、そして生徒たちはどのように成長していくのか・・・・。
いやはやなんとも馬鹿馬鹿しい設定の小説を書いたものです。
ところがこれがバツグンに面白いんですね。
決して思い付きの企画倒れに終わっていません。
というよりも設定を超えた感動すらあります。
水商売の学校物だからといってフーゾク的な話ばかりが詰め込まれているわけではありません。
いちばんの読ませ所はやはり野球部の快進撃でしょう。
これはもう爽快な青春小説です。
そして作者の高校野球に対するチクリとした風刺も読み取ることができますね。
江夏や長嶋といった実在の人物が出てくるのもぶっとんだ設定の中にリアリティを添え、話を締める効果があるように思えます。
この作品は作者のデビュー作とのこと。
すごいですね。
笑いあり感動ありの素晴らしいエンターテイメント小説でした。
ラベル:小説