2014年01月12日

「不恰好な朝の馬」井上荒野

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連作短編集です。

表題作は、劇団を主宰する演出家を夫に持つ菊絵が主人公。

団地に住み、中学生になる娘がいます。

夫は劇団に所属する21歳の女に手を出しているのですが、もうこれで何人目の女になるのでしょう。

うんざりした菊絵は夫に離婚を切り出します・・・・。

この表題作を始めとして、少しずつスポットをずらせて話は進んでいきます。

次の「クリームソーダ」では娘の友達であるルイが美術教師と不倫交際している話。

「額縁の犬」ではそのルイや美術教師が利用している喫茶店の女性経営者の話。

次の「鹿田温泉」は菊絵の夫である哲雄と21歳の愛人の話。

「スケッチ」では美術教師の妻の視線で・・・・。

非常に狭い範囲でそれぞれの登場人物が関わっており、出来過ぎな話ではあります。

でも実際はこんなものかもなんて思ったりもしますが。

いつもながら井上荒野らしいなんとも不安定な雰囲気の設定です。

それぞれの話の結末はどうも収まりが悪い。

着地点の居心地がしっくりこないといいますか。

でもそれがこの作家の持ち味なんですね。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする