短編集です。
筒井康隆らしい作品がびっしりと。
表題作はなんと孫悟空が観音菩薩とセックスするという内容。
噂を聞きつけた釈迦や閻魔大王まで見に来る始末。
なんとも罰当たりな作品です。(笑)
「分裂病による建築の諸相」など筒井節の本領発揮。
分裂病は筒井センセイでしょ、とツッコミたくなる傑作です。
「馬」も不条理でとぼけた味わいがあってよかったですね。
「作中の死」や「虚に棲むひと」は現実と虚構が混沌としてくる作者お得意の手法。
「谷間の豪族」はどことなくシュールで、淡々とした静謐さの中にさりげない不気味さがあるというか。
筒井康隆ならではの世界を堪能できる一冊です。
ラベル:小説