新劇女優の藤子の家庭は複雑です。
夫とのあいだに愛はありません。
中学生の息子は精神的に難があります。
そんな藤子の前に現れた教育研究所の木原。
息子の問題を通じて二人は急速に接近します・・・・。
ちょっとこれは散漫な気がして馴染めませんでした。
というのは、トータルで見ると藤子が主人公であるのですが、最初は藤子の姪である麻枝で始まるんですね。
なるほど麻枝がこの物語の主人公なのだなと思っていると藤子が登場して、あれ、どちらの人物を書きたいんだろと。
と思っていたら木原に話は移ります。
この3人のあいだを視点がいったりきたりしてどうも落ち着きません。
そして藤子が木原に惹かれることに私は説得力を感じませんでした。
男女の愛やら結婚やら親子やらといったようなことを描いておられるのですが、どうも入り込めませんでした。
藤子に視点を固定していればじっくりと堪能できたのに、と思えます。
ラベル:小説