2014年05月20日

「残るは食欲」阿川佐和子

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雑誌「クロワッサン」に連載された食エッセイです。

さすがにエッセイの名手だけあって軽妙洒脱な文章で食べ物を美味しそうに語られます。

でもぜんぜん気取ったところがないんですよね。

料理の失敗談なんかもたっぷりと紹介されていますし、カビの生えたパンなんかもカビの部分さえ取り除けばなんて食べたりしておられます。(笑)

そんな庶民感覚がいい。

しかしなんといっても秀逸なのはタイトルでしょう。

「残るは食欲」って。(笑)

結婚などという俗物的願望を捨て(?)、ひたすら食べることにのみ邁進するという悟りといいますか達観といいますか。

そのような決意と諦めと開き直りが込められた投げやり的でありながらアグレッシブなタイトル。

素晴らしいです、アガワさん。

ラベル:グルメ本
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2014年05月18日

「家鳴り」篠田節子

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7編の作品が収められた短編集です。

表題作はパッチワークの作家である妻と失業して主夫をしている夫の話。

飼い犬を亡くしたストレスからか、妻は普通の食事を受け付けなくなります。

食事といえば寝る前にスナック菓子をビールで流し込むだけ。

これではいけないと夫は料理を勉強して妻に食べさせるのですが、カロリーの高い料理ばかり。

やがて妻は異常なほど太り始めて・・・・。

どの作品も心理サスペンスというかホラーというか。

SFの要素もあったりしますね。

不幸な結末を迎えるのですが、でも当人ははたして不幸なのかなと考えさせられたりします。

はたから見て不幸であっても当人にとっては案外幸せなのかも。

私は「水球」と「青らむ空のうつろのなかに」がよかったです。

ラベル:小説
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2014年05月16日

「『薔薇族』編集長」伊藤文学

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ゲイの専門誌「薔薇族」。

著者は昭和46年日本初の同性愛誌ということでこの雑誌を立ち上げ、平成23年400号をもって勇退するまで編集長を務められました。

途中二度廃刊に追い込まれたようです。

今でもまだまだ同性愛というのは市民権を得ているとはいえませんが、昔ならなおさらのこと。

まだインターネットもなかった時代です。

全国のゲイの人たちが情報交換し出会う場として、この雑誌の登場はその世界の人たちに熱烈な支持を受けました。

現在漫画や小説の世界ではBL(ボーイズ・ラブ)というジャンルが人気ですが、あれはまたちょっと世界が違いますね。

女性が読んで楽しむ美少年(美青年)同士の世界。

美化された空想です。

「薔薇族」はもっと現実的で生々しい。

著者は昭和7年生まれということでご高齢ですが、編集長を引退された現在も同性愛に対する偏見をなくそうとご活躍中です。

ラベル:本・書店
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2014年05月14日

「下妻物語・完 ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件」嶽本野ばら

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ロリータ少女の桃子とヤンキー少女のイチゴが帰ってきました。

シリーズ第2弾です。

といってもこれで完結ですが。

いつものように代官山へ出かけた2人。

帰りに乗った高速バスのトイレ内で殺人事件があり、イチゴが容疑者となってしまいます。

桃子は自分なりの推理で真犯人探しに乗り出しますが・・・・。

相変わらず2人のキャラがいいですね。

冷めた桃子とイチゴのバカっぷり。

性格もファッションもまったく正反対な2人ですが、この組み合わせがまたニコイチで面白い。

今回はジャスコの警備員でこれまたヤンキーな新しいキャラも登場します。

殺人事件の謎を解くという推理小説の要素もある今回ですが、犯人は誰とかアリバイがどうとかいうのは私は好きではなくそのあたりちょっと退屈でしたけども、それがすべてではありませんのでじゅうぶんに楽しめました。

イチゴはバカですが一本気でいいヤツですし、そんなイチゴをいつも冷たく突き離す桃子も実はイチゴのことが大好きなんですね。

これで完結というのはちょっと寂しい。

今後の2人をまた読んでみたい気がします。

ラベル:小説
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2014年05月12日

「主食を抜けば糖尿病は良くなる! 糖質制限食のすすめ」江部康二

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糖尿病。

10人に1人ともいわれている現代の生活習慣病ですね。

この厄介な病気は完治することなく、一生付き合っていかなければならないといわれています。

この病気をコントロールするにはまず食事ですが、とにかく重要視されているのがカロリー制限。

しかし著者が主張する食事療法はカロリーを気にすることなくできるというのです。

それが糖質制限食なんですね。

人の血糖値を上げるのはたんぱく質でもなく脂質でもなく糖質のみであるということ。

特に精製された炭水化物が血糖値を急激に上昇させると。

なので普段主食として食べているごはんやパン、麺、そして炭水化物を多く含む野菜などを避けます。

肉や魚、炒め物や揚げ物はOK。

アルコールもビールや日本酒、ワインは不可ですが、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒はOK。

酒飲みにとってはなんとも嬉しい食事療法じゃないですか。(笑)

ただし極端な食べすぎ飲みすぎがだめなのは健常者でも当然のこと。

ではそのような食事をして本当に効果があるのか、弊害がないのかが気になるところですが、著者は実際に自分が勤務している病院で劇的な効果をあげているとデータを示されます。

またご自身も糖尿病であり、ご自分の身体を使ってその効果を試してもおられます。

医学のことはよくわかりませんけども、欧米でもカロリー制限と低脂肪の食事療法ではなく、糖質制限食に変わってきているとか。

ふむふむと大変興味深く読みました。

ラベル:グルメ本
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