元ヤクザで現在は探偵の矢能。
仕事の依頼で呼び出され、出向いた廃墟ビルの部屋には依頼主の死体。
覆面を被った男に背後から襲われ命は奪われなかったものの、依頼主を殺した犯人になるよう細工されます。
矢能を殺さずに開放したのが犯人の誤算でした。
矢能の反撃が始まります・・・・。
前作「水の中の犬」の続編です。
脇役だった矢能が今回は主役となっています。
ですが前作を読んでいなくともこれ自体独立した作品として読めます。
これが作者の第3作目となるわけですが、やはりすごい。
中だるみすることなくぐいぐい読ませます。
昔の勝目梓を思い出したりもしました。
エロはありませんけどね。(笑)
矢能のキャラは当然として、その他配置されているキャラがいい。
話もラストのどんでん返しは笑わせてもらいましたし、結末やエピローグについてはほろりとしました。
上手いですねぇ。
前作を読み終えて「もっと評価されるべき作家」と感想を書きましたが、ますますその思いを強くしました。
この作者、漫画家から小説家に転向したのは安易な気まぐれなんかではありません。
本気です。
本物です。
木内一裕、すごいわ。
ラベル:小説