終戦後、日本人に希望をもたらしたプロレスラー力道山。
空手チョップを得意技とし、外人レスラーをことごとくマットに沈め、日本人の鬱憤を晴らせて一躍スーパースターに。
そんな力道山の半生をルポタージュ作家の第一人者が緻密に描いておられます。
力道山といえば元相撲取りであったのは有名ですが、相撲からプロレスに転向する際は決してスムーズにいったわけではないのですね。
いろんな苦労がありいろんな人に世話になった様子が詳しく書かれています。
しかし人気が出るにつれ、世話になった人たちを反故にするような言動が目立ち始めます。
スターではありましたが、自分の地位や名誉を保つためには相当汚い部分もあったようです。
そして力道山といえばやはり木村政彦戦でしょう。
そのあたりの裏話もしっかりと取り上げられています。
最後は暴力団の組員に刺されて死亡するわけですが、そのあたりのいきさつも書かれています。
力道山というヒーローの明と暗を描いた一冊です。
ラベル:ノンフィクション