鮎川英雄は元県庁の職員。
広報課に勤務していました。
現在はあるコネで入社した缶詰会社の社員で『缶詰新聞』を発行するのが仕事ですが、ほとんど仕事らしいことはしていません。
英雄の特技というのが『ベッドの上で飴細工の飴みたいに女のからだをぐにゃぐにゃに蕩かしてしまう』こと。
そのような匂いを女は嗅ぎ付け、また噂にもなり、女が寄ってきます。
ですがそれが災いして県庁を辞めることにもなるのですが。
そして英雄の未来を予言する専務秘書の三ッ森小夜子、ロリータ好きな叔父の酔助などの存在が英雄の人生を思わぬほうに引っ張っていきます・・・・。
出だしからいかにも佐藤正午なやりとりです。
ストーリーは・・・・けっこう入り組んでいます。
というか構成に一癖あるんですね。
登場人物もしっかりと主人公に絡み合ってきますし。
そしてだんだんと話に加速度がついていく。
その挙句ストンと読者が納得いく着地点に落としてくれるのかといえば、そのような親切心はこの作者にはありません。(笑)
含みというのではありませんが、この物語世界は今後どのように展開していくのだろうと思わせるラストです。
ラベル:小説