2014年07月19日

「剣聖一心斎」高橋三千綱

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連作短編形式です。

主人公は中村一心斎という剣豪。

武田信玄の埋蔵金を捜し求めつつ、いろんな人物たちと接し、痛快なエピソードを残しつつ風のように去っていきます・・・・。

千葉周作、鼠小僧次郎吉、葛飾北斎、二宮尊徳、遠山金四郎などなど、豪華キャストが出演するすごい作品です。(笑)

ただ肝心の一心斎のキャラがちょっと読者視点からすると浅いんですよね。

飄々としていかにも高橋作品の主人公的なのは魅力なのですが、それぞれの話のメインはあくまでも他の登場人物であり、一心斎はそれに絡む設定です。

物語の中で登場人物にさらっと絡むのはいいのですが、読者に対してもさらっとし過ぎなんです。

もっと深く描いてほしかった。

アメリカにいたこともあるようですが、そのあたりの詳細は書かれていません。

これは「暗闇一心斎」に引き継がれていくのかな。

「お江戸の若様」シリーズも主人公に平成の記憶がある設定ですが、まだそのあたり明らかにならず。

どちらも主人公に謎があるという点では共通しています。

そして未来や外国を知っているという点で主人公の考えも先進的です。

正統派な時代小説ではないと思いますが、高橋氏ならではの作風が楽しめます。

ですがやはり私はもっと主人公に近寄って書いていただきたかった。

ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 02:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする