2014年08月30日

8月の一冊

今月は14冊読みました。

・「木野評論臨時増刊 文学はなぜマンガに負けたか!?」 
・「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」桜庭一樹
・「犬神家の一族」横溝正史
・「セーラー服とエッフェル塔」鹿島茂
・「どうで死ぬ身の一踊り」西村賢太
・「決断力」羽生善治
・「フレンチの達人たち」宇田川悟
・「タモリ論」樋口毅宏
・「空の中」有川浩
・「食で日本を建て直せ」小泉武夫
・「マボロシの鳥」太田光
・「菓子フェスの庭」上田早夕里
・「スキャンダルを追え!「噂の眞相」トップ屋稼業」西岡研介
・「屈辱ポンチ」町田康

「木野評論臨時増刊 文学はなぜマンガに負けたか!?」、登場しておられる皆さんはそんなこと思っていないようですが。

でも文学はどんどん衰退していくでしょうねぇ。

「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」、たまたま読んでいるときに現実の事件(佐世保市女子高生殺人事件)とシンクロしてびっくり。

犯人の女子高生はたぶんこの本を読んでたんだろうなぁと。

「犬神家の一族」、思ったほどおどろおどろしくない横溝作品。

これは今まで読んだ中でいちばん読みやすかったです。

「セーラー服とエッフェル塔」、いろんな疑問を仮説を立てて追求していくその姿勢。

ご苦労様です。

「どうで死ぬ身の一踊り」、現在ではちょっと珍しいエゴな男の私生活。

それが小説の面白さとなっていますが、純文学としてもひとつなにか欲しい。

「決断力」、天才棋士の思考を知ることができる一冊。

だからといって誰もに当てはまるわけではありませんが。

「フレンチの達人たち」、日本を代表するフランス料理のシェフたちを取り上げています。

現在の地位を築くまでの軌跡。

「タモリ論」、残念ながら論評になっておらず。

ただの個人的な思い入れの垂れ流しです。

「空の中」、力作ですね。

デビュー後第2作目でこれですから、さすがの才能だなと思います。

「食で日本を建て直せ」、グルメだなんだとはしゃいでいる日本ですが、その実情はミーハーで食文化とはかけ離れたお粗末なもの。

そのうちしっぺ返しが来るのではと思わされます。

「菓子フェスの庭」、前作よりも内容がお菓子に特化してよかったと思います。

シリーズになったようで次作が楽しみ。

「スキャンダルを追え!「噂の眞相」トップ屋稼業」、スクープを追う記者の舞台裏。

こういう裏話は貴重ですし楽しく読めます。

「屈辱ポンチ」、いつもながら主人公が転げ落ちてとんでもない方向にいってしまう町田作品。

わけわからんのですが、とにかく面白く読ませます。

さてさて今月の一冊。

そこそこよかったけども、あともうひとつといった印象の本が何冊かありました。

「どうで死ぬ身の一踊り」、「空の中」、「菓子フェスの庭」など。

そんな中でいちばん最近読んだせいもあるかもしれませんが、「屈辱ポンチ」がインパクトありました。

ということで今月はこれに決定。

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posted by たろちゃん at 03:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月28日

「屈辱ポンチ」町田康

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売れないバンドをやっている岡倉。

こんな連中とはやっとれんわとライブ後の打ち上げもそこそこに、親のスネをかじっていい暮らしをしている浜崎のもとに転がり込みます。

刀を振りまわすわけのわからない浜崎に岡倉は跋丸への復讐を依頼されます。

浜崎は行方をくらまし、帆一という男がその手伝いをすることに。

なんのために復讐するのかよくわかりませんが、二人は跋丸への嫌がらせを開始します。

無言電話、白紙のファクシミリ攻撃、100g2800円の松阪牛を1440gアブノーマルな雑誌写真で包装して送りつける、など。

しかしまったく効果が無いようなんですが・・・・。

いやもう、併録されている「けものがれ、俺らの猿と」もそうなんですが、町田節全開です。

まったくわけがわからんのですが面白すぎます。

主人公はなんでこんなことに巻き込まれ、こんなことやってんだか。

「けものがれ、俺らの猿と」なんて映画脚本家であるはずの主人公が、最後は初めて訪れた喫茶店で客から店員になって焼きそば作ってますしね。(笑)

この不条理な展開、転げ落ちていくような堕落感、それをねっとりと読ませる独特の文体。

昔の筒井康隆のドタバタともまた違いますし、これはもう見事に町田康の世界です。

イッてます。

お手上げです。

あっぱれ。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ま』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月26日

「スキャンダルを追え!「噂の眞相」トップ屋稼業」西岡研介

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「噂の眞相」。

政界、財界、芸能界、文壇、皇室・・・・。

いろんな方面のスキャンダルを暴き、タブーに挑戦した雑誌でした。

私も毎月楽しみに立ち読み(笑)してましたね。

神戸新聞記者を経てそんな“ウワシン”でライターをしていた著者。

99年に則定衛東京高検検事長のスキャンダルを暴き辞任に追い込み、翌年には当時の首相であった森喜朗の買春検挙歴をスクープします。

それらは決して飛び込んできた話をほいほいと掲載しているわけではありません。

何年も前から手をつけ、あちこちから情報を収集し、決定的な証拠を握り、スクープとして放つ。

しかしそれに対して相手も名誉毀損で訴えてくる。

そんな裏側の苦労や緊迫感のあるやりとりが描かれています。

ちなみに著者は「噂の眞相」を辞めたあともいろんな週刊誌でご活躍され、ベストセラーも出しておられます。

posted by たろちゃん at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 『に』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月24日

「菓子フェスの庭」上田早夕里

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「ラ・パティスリー」の続編です。

あれから5年後。

神戸の西富百貨店が『お菓子のフェスティバル』というのを企画します。

京阪神のいろんな洋菓子店の商品を会場に集めて客に楽しんでもらおうという催しです。

担当者は武藤隆史。

実は武藤は甘いものが大の苦手なのですが、上司に強引に担当を言い渡されます。

スイーツに詳しい緒方麗子の協力を得ながらいろんな店を訪れるのですが、そんな中で森沢夏織の勤める洋菓子店<ロワゾ・ドール>に出会います。

そこで出してもらったお菓子は、甘いのが苦手な武藤のために夏織が特別に作ったオリジナルレシピのウフ・ア・ラ・ネージュ。

武藤はそれを気に入り、<白いお菓子>という条件で夏織にフェスティバル用のお菓子の製作を依頼します・・・・。

今回は武藤にメインの視線が置かれ、夏織の奮闘に期待しつつほのかに恋心を持つという展開です。

そんなところに市川恭也が東京から帰ってきて。

恭也はこちら神戸で店を出すつもりで、夏織は<ロワゾ・ドール>を辞めて恭也の店で働くことを決心します。

武藤としてはあまり面白くない。

恭也の下で仕事をするようになると現在の夏織のセンスが変わってしまうのではないかという懸念を持つ武藤。

しかしそれよりも恭也に対する嫉妬でしょうか。

今回は前作に比べてパティシエの仕事がしっかりと描かれていたように思えます。

ただ恭也の書き込みがちょっと浅かったかなと。

記憶喪失の件はどうなったのでしょう。

まあ今回は武藤がメインでもありますしね。

これは当然第3弾が出るでしょう。

楽しみにしています。

ラベル:グルメ本 小説
posted by たろちゃん at 04:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 『う』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月22日

「マボロシの鳥」太田光

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爆笑問題の太田光による短編集。

表題作は魔人チカブーという天才芸人の話。

チカブーは舞台に立ち観客の前で鳥を披露します。

見る者によって印象が違って見えるというその鳥は観客の気持ちを一気に惹きつけ、これ以上美しいものは一生見られないだろうと思わせるほどです。

そして観客の前でその鳥を飛ばすのですが・・・・。

う~ん、客に鳥を見せるだけのどこが“天才芸人”なんでしょうか。

鳥が評価されるべきであってチカブーというのは鳥を飼ってるただの人です。

そんな設定からして腑に落ちませんし、また文章もひどい。

やたら作者がしゃしゃり出てきてぶち壊してます。

直接作者が主張するのならそれは小説ではないでしょう。

エッセイを書けばよろしい。

他の作品もいやはや・・・・。

私が編集者なら原稿を真っ赤にしますね。(笑)

あとがきで直木賞、芥川賞、本屋大賞などの文学賞からまったく相手にされなかったことが悔しく悲しかったとあります。

本気か冗談かわかりませんが、このレベルではどんな文学賞も無理ですよ太田さん。(笑)

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 『お』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする