山田なぎさは13歳の中学2年生。
パートタイマーの母と引きこもりの兄の3人家族。
ボロボロの公団住宅の1LDKに住むなぎさには自分の部屋もありません。
なので自分で生活していくのに必要な力、“実弾”を求めています。
そんななぎさのクラスに転校してきたのが海野藻屑。
自分のことをぼくと言い、人魚だと主張する変な女の子です。
父親は昔よくテレビに出ていた芸能人の海野雅愛。
ちょっと変人です。
なぜか藻屑はなぎさに付きまといます。
そして嘘ばっかり吐くのです。
ある日飼い犬が父親に鉈でバラバラにされて殺され、山に捨てられたといいます。
そんな嘘を追い詰めてやろうと、なぎさは藻屑に犬が捨てられたという場所へ案内させます。
本当の話なら証拠を見せろと。
最初は渋っていた藻屑ですが、やがて案内された場所に着いたなぎさは、鉈で割られた犬の死体を見て嘔吐します・・・・。
これ、とんでもない猟奇小説ですね。(笑)
ライトノベルで表紙も挿絵もかわいらしいですけども。
いきなり海野藻屑のバラバラ遺体が発見されたという新聞記事で始まるネタバレ的な出だし。
なので内容はそこに行き着くまでのプロセスです。
そしてびっくりしたのが、この小説を読んでいるあいだにおきた長崎県佐世保市の女子高生殺人事件。
女子高生が同級生を殺害した事件です。
なんと犯人の少女は自分のことを「ボク」と呼んでいたとか。
そして遺体の切断。
この犯人の少女、絶対にこの小説に影響を受けていますね。
それにしても思ったのは桜庭一樹という作家はオタクだなぁと。
オタクの匂いがぷんぷんする作家さんです。
ラベル:小説