暑い毎日が続きますので冷んやりしたものでも読もうと横溝正史です。
「犬神家の一族」。
信州財界の大物、犬神佐兵衛。
巨大な財を残して他界しました。
佐兵衛には腹違いの3人の娘がいます。
松子、竹子、梅子。
それぞれに息子がいます。
佐清、佐武、佐智。
娘たちの関心は佐兵衛の遺産です。
しかし遺言状には骨肉の争いを誘うかのような内容が書き記されていました。
佐兵衛の恩人であった野々宮大弐の孫娘である珠世に全財産を譲ると。
但し珠世は、佐清、佐武、佐智の3人の中から婿を選ばなければならないと。
しかし松子の息子である佐清に関しては、復員してきたものの戦争中に顔に怪我を負ったとのことで不気味なマスクを被っており、本人かどうかわかりません。
互いを牽制しあう雰囲気、そして珠世の動向。
やがて佐武が殺され、そして佐智・・・・連続殺人が始まります・・・・。
ざっくりいうとそういう内容ですが、事件を解決するのはお馴染み金田一耕助。
そして定番の連続殺人事件であります。
『斧・琴・菊』というキーワードがあるのもお約束といっていいでしょう。
んでまあ結局は犯人は誰か、そのトリックやアリバイはどうかという、古典的な推理小説です。
ラストはもちろん探偵(金田一耕助)の長演説。(笑)
水戸黄門とかが好きな人には「待ってました!」的なパターンかもしれませんが、私にとっては「はいはいはい・・・・」と。
まあこれもお約束ですのでケチつけてもなぁとは思うのですが。
でもそれはそれとして、今まで何冊か読んだ横溝作品の中ではいちばんわかりやすかったという感想です。
ただ犯人がなぁ。
無理あるんじゃないですかね。
ラベル:小説