売れないバンドをやっている岡倉。
こんな連中とはやっとれんわとライブ後の打ち上げもそこそこに、親のスネをかじっていい暮らしをしている浜崎のもとに転がり込みます。
刀を振りまわすわけのわからない浜崎に岡倉は跋丸への復讐を依頼されます。
浜崎は行方をくらまし、帆一という男がその手伝いをすることに。
なんのために復讐するのかよくわかりませんが、二人は跋丸への嫌がらせを開始します。
無言電話、白紙のファクシミリ攻撃、100g2800円の松阪牛を1440gアブノーマルな雑誌写真で包装して送りつける、など。
しかしまったく効果が無いようなんですが・・・・。
いやもう、併録されている「けものがれ、俺らの猿と」もそうなんですが、町田節全開です。
まったくわけがわからんのですが面白すぎます。
主人公はなんでこんなことに巻き込まれ、こんなことやってんだか。
「けものがれ、俺らの猿と」なんて映画脚本家であるはずの主人公が、最後は初めて訪れた喫茶店で客から店員になって焼きそば作ってますしね。(笑)
この不条理な展開、転げ落ちていくような堕落感、それをねっとりと読ませる独特の文体。
昔の筒井康隆のドタバタともまた違いますし、これはもう見事に町田康の世界です。
イッてます。
お手上げです。
あっぱれ。
ラベル:小説