2014年10月21日

「宇宙のウインブルドン」川上健一

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杉本宇宙は17歳の高校生。

夢はテニスのウインブルドンで優勝すること。

しかし宇宙はサーブしかできません。

相手のサーブに対してレシーブなどできないのです。

なのでサーブだけで優勝すると豪語します。

とにかくサーブはものすごい。

そんな宇宙のテニスがどこまで通用するのか。

たまたまデ杯(デビスカップ)の合宿に出くわした宇宙。

トップクラスの選手たちと試合するのですが、誰も宇宙の相手になりません。

急遽ジャパン・オープンに出場することになります。

そこでもなんなく優勝し、ついにウインブルドンへの出場権を手にします。

世界の強豪相手に宇宙のサーブだけのテニスは通用するのか・・・・。

いやぁ、面白かったですねぇ。

サーブだけでテニスをするなんてまったく荒唐無稽なわけですが、「でも面白いでしょ? ならいいじゃん」とぐいぐい読ませます。

この雰囲気は以前に読んだ「ららのいた夏」に通じるものがありますね。

主人公の快進撃が気持ちいい。

「ららのいた夏」のテニス版といったところでしょうか。

発表されたのはこちらの作品のほうが先ですけど。

出てくる強豪たちの名前もまた。

ジョン・マッケンゾー、ジミー・コナクソーズ、マッツ・ニランデル・・・・。

現実では錦織圭選手の活躍が話題となっていますが、25年以上前にこのようなヒーローがテニス界にいました。(笑)

ラベル:小説
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2014年10月19日

「トロピカル性転換ツアー」能町みね子

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著者は性同一性障害。

ご自身ではあっさりと「オカマ」と名乗っておられました。

そしてオカマでありながらOL生活をやっておられたということで、その生活をブログに書いてブレイク。

「オカマだけどOLやってます。完全版」として本にもなりました。

現在はエッセイ、イラスト、ラジオ番組などで活躍しておられます。

今は性転換手術も済ませ戸籍上も女性となられたわけですが、タイに行ってその性転換手術を受けた日々を書いたのがこの本です。

コミカルに面白おかしく書いておられますが、なかなか大変だったようで。

性転換手術された人というのは何人もおられると思いますが、ここまで赤裸々にその内容を公開した人というのは今までいなかったのでは。

手術後の経過などかなり露骨です。

それをお気軽な文体とイラストで読み物として読者を笑わせるのは著者の嫌味ないセンス。

楽しませていただきました。

ラベル:エッセイ
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2014年10月17日

「東州しゃらくさし」松井今朝子

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時代は寛政の頃。

上方の人気歌舞伎作者である並木五兵衛は江戸に下ることを決意します。

それに先立ち五兵衛は大道具の彩色方である彦三を江戸に送ります。

前もって江戸の様子を知るためです。

しかし彦三からの便りは届きません。

ようやく届いたのは夥しい数の版摺絵でした。

たしかに彦三の筆によるものですが、彦三にこのような版摺絵が描けたとは信じがたい五兵衛。

そして絵の脇には“東洲斎”といういかめしい雅号がありました・・・・。

タイトルからわかるように謎の絵師といわれる東洲斎写楽を取り上げています。

ですが、写楽がメインというわけではなく。

しかも本文には“トウシュウサイ”と出てくるだけで、“東洲斎”という言葉も“写楽”という言葉も出てきません。

写楽を絡ませつつ並木五兵衛の歌舞伎作者としての生き様を描き、当時の上方や江戸の芝居の世界を描いています。

個人的にはもっと写楽に重点を置いて書いてほしかったなという感想です。

並木五兵衛はこれはこれでまた写楽とは別の話で。

なのでちょっとどっちつかずな気がしましたし、期待したほど話に盛り上がりもなく感じました。

とはいうものの、さすがの松井今朝子で面白さはじゅうぶんですけどね。

ラベル:時代小説
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2014年10月15日

「行きがかりじょう」バッキー・イノウエ

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あちこちの酒場に出向く著者。

そしていろんな展開が訪れるわけですが、それは「行きがかりじょう」であって決して「行き当たりばったり」ではないのだと。

そんな「行きがかりじょう」が訪れる店に幸せを感じると。

うん、なるほどと思います。

展開であり刺激であり想定外であったりということなんでしょうね。

酒場に行きました、酒飲みました、以上、では面白くもなんともない。

ま、酒飲みはなんだかんだと理由をつけて飲み歩くわけです。(笑)

文章がややスノッブに感じるのは著者の個性でもあるでしょうが、「ミーツ・リージョナル」の影響もあるのかなと。

私がこの著者を知ったのは「ミーツ・リージョナル」に執筆しておられたから。

もう何年もまったく手に取っていませんが、この「ミーツ・リージョナル」という関西ローカルな情報誌、いろんなライターや編集者が書いておられるんですけども、独特のミーツ文体というようなものがあるんですよね。

なんでみんなそんな文体なのよと。

今はどうか知りませんけども。

そんな中で書いておられたからなのかなぁと思ったり。

酒場、店、街。

切り口からしていかにもです。

ラベル:グルメ本
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2014年10月13日

「ヤクザ大辞典」週刊大衆編集部 編・著 山平重樹 監修

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ヤクザ、暴力団。

一般人にとっては恐ろしく、そして得体の知れない存在であります。

ヤクザというのはいったいどのような組織なのか。

盃や代紋の意味と価値、シノギはどうなのか、組織の内情はどうなのか。

そこそこ突っ込んだ内容が書かれていまして読み応えのある一冊となっています。

生々しい談話もありますしね。

ここでインタビューに答えておられるヤクザの親分さんたちは皆しっかりとした考えをお持ちです。

テキヤ系の人たちは「カタギの人たちに楽しんでいただく」ということを念頭においておられる。

なので刺青をちらつかせたり、後片づけをしないなんてことはしません。

そういえば刺青を見せてるテキ屋さんはいないように思います。

コワモテな人は多いですけど。(笑)

日本最大の組織である山口組は覚醒剤厳禁。

手を出すと破門、絶縁だそうです。

しかし覚醒剤=暴力団という事実もあります。

カタギの人に迷惑をかけないということを謳ってはいても、現実ヤクザに怖い思いをさせられている人は多いと思います。

交通事故の示談なんかでヤクザに出てこられたらやっかいですしね。

まあ一般人としては関わりたくはない。

ですが気にはなる存在。

ということで読んでみました。

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