2014年10月11日

「合本 大友克洋 2012年 再起動、そして。」

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漫画史を語る上で「大友以前、大友以降」という言葉があります。

それほどこの漫画家の登場は大きな影響を漫画界に与えました。

細く硬い線、白っぽい画面、乾いた空気、淡々とした物語構成など、当時ニューウェーブと呼ばれた人たちの中でも代表的な漫画家でした。

その後は「童夢」、「AKIRA」などで圧倒的な画力を披露。

緻密な描き込み、卓越したデッサン力、確実なパース、自在な構図。

手塚治虫が第一次の漫画革命だとしたら、第二次の革命は大友克洋でしょう。

一時期は漫画誌に“大友もどき”が溢れましたからね。(笑)

そして現在はアニメをメインにご活躍中。

そんな大友氏の近況をメインにしたのがこの本です。

新作アニメ「SHORT PEACE」の制作について、「大友克洋GENGA展」について、そして大友氏と並んで現在の漫画界においてトップレベルの絵師である井上雄彦氏との対談など。

付録で描きおろしの短編漫画やステッカーも付いており、なかなか満足な一冊となっています。

ところで小学館で始める時代物の連載開始はいつになるのでしょう。

話が出てからもう何年にもなると思いますが。(笑)

ちなみにその連載、少年サンデーなどという噂もありますが、さすがにそれはあり得ません。

この本でもビッグコミック編集者との打ち合わせシーンや担当編集者へのインタビューが収録されています。

ラベル:漫画本
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2014年10月09日

「図書準備室」田中慎弥

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祖父の三回忌で伯母にそろそろ働いてはどうかと言われる主人公。

30歳を過ぎて一度も働いたことがなく、母の金で酒を飲んでいます。

伯母の忠告に待ってましたとばかりに怒涛のごとくしゃべり始める主人公。

中学時代に図書準備室で教師に過去を告白させた話に遡ります・・・・。

内容のほとんどが主人公の独白です。

取り憑かれたようにしゃべり続け現状の自分に対して理由付けするわけですが、実はまったくなんの関係もない。

しゃべり終えたときには伯母も母も目の前に居ません。(笑)

併録されている「冷たい水の羊」はデビュー作。

ひたすらいじめられている中学生の内面を描いています。

どちらの作品もなんといいますか、すごく屈折したエネルギーを感じますね。

ぐつぐつと煮えたぎったマグマのような。

しかしその視線は冷めています。

普通の人があえて見ないようにしている部分をさらけ出して見せるような作風です。

ラベル:小説
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2014年10月07日

「きょうのできごと」柴崎友香

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正道くんの引越し祝いに車で出掛けた中沢、けいと、真紀。

家には正道くんの友達の西山、坂本、後輩のかわちくん。

男5人女2人、7人での飲み会が始まります。

その飲み会や前後のできごとを、けいと、真紀、中沢、かわち、正道の5人の視線で昨日と今日をいったりきたりしつつ描いていきます・・・・。

当たり前のことですが、人それぞれ“日々”があります。

“日々”を持った人たちが集まり、またそれぞれの“日々”に戻っていく。

そんな話です。

どこにでもあるような若者たちの平凡な1日なわけですが、夜から明け方にかけての時間帯や高速道路、真夜中の飲み会という舞台設定がややファンタジックな雰囲気も醸しています。

書き下ろしされた「きょうのできごとの、つづきのできごと」もまさにそうですね。

夜の映画撮影に立ち会う原作者(柴崎氏)。

実在の俳優も出てきますが物語の登場人物たちも出てきまして、メタフィクション的な内容となっています。

ラベル:小説
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2014年10月05日

「スローなブギにしてくれ」片岡義男

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第三京浜を走りながら窓から次々と仔猫を捨てる白いムスタング。

ゴローはCB500で追いかけます。

すると今度は避難エリアで女性が放り出されます。

ゴローはその女さち乃を拾ってつれて帰るのですが、さち乃は部屋に居つくことになります・・・・。

一時期本屋の棚にはずらりと片岡義男が並んでいましたね。

赤の背表紙に白抜きのタイトルの角川文庫。

サーファーなんかはジーンズのうしろポケットにさりげなく文庫本を突っ込んだり。

今でいえば村上春樹のような感じでしたか。

そんな片岡義男が本屋の棚から消えて久しいですが、この本は2001年に新たに編集されたバージョンです。

表題作他、「マーマレードの朝」など全5編を収録。

どれも乾いた空気を感じさせる雰囲気で、小洒落た会話とテンポのよい文章の小説です。

でも内容になにがあるのかというと別になにもない。

男がいて女がいて出来事がある。

難しい深読みなどせず誰もがさらりと読めます。

こういうのがお洒落でカッコイイという時代もあったんですね。

音楽でいえばイージーリスニングといったところでしょうか。

ラベル:小説
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2014年10月03日

「B級グルメが地方を救う」田村秀

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地方にはその土地ならではの安くて美味しい食べ物があります。

それをB級グルメとしてアピールし、地域の活性化を図ろうとしている自治体などが多々あります。

景色や歴史的建築物などもその土地の魅力でしょうが、やはりなんといっても食べ物でしょう。

人間、食欲には勝てません。(笑)

実際B級グルメで観光客を呼び込んでいる地域はいくつもあります。

香川県の讃岐うどんなんて大ブームとなりましたしね。

その他有名なB級グルメといえば、富士宮やきそば(静岡県富士宮市)、豚丼(北海道帯広市)、トルコライス(長崎県長崎市)、盛岡冷麺(岩手県盛岡市)などなど。

各地でB級グルメ大会なども催されたりして盛況のようです。

テーマパークのように何千億ものお金がかかるわけではありません。

安くて美味しいものを食べればみんな楽しい気分になれます。

これで地域が活性化すれば万々歳なんですけどね。

ラベル:グルメ本
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