2014年11月06日

「交響曲第一番 闇の中の小さな光」佐村河内守

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両耳の聴力を失い、全聾の作曲家として『交響曲第一番 HIROSHIMA』を完成させ、現代のベートーベンとまでいわれた佐村河内守。

そんな天才作曲家の壮絶な半生の手記です。

読むと奇跡のドラマに感動し、涙せずにはいられないでしょう・・・・。

とまあ本来ならそうなるはずで、実際この本が出版されたときはそうだったと思います。

しかし日本全国誰もがその正体を知ってしまった今、これほどの壮大なホラをよく吹けたものだとそちらのほうに感心してしまいます。

この本の内容がどこまで本当で嘘かはわからないのですが、はっきりしているのは実際には耳が聞こえていたということ、そして作曲はしていなかったということ。

その事実を前提に読みますと、かなり痛々しい内容となります。

亡くなった弟さんや友情を育んだ障害者施設の子供たち、信頼して支えてくれた人たち。

その人たちにどのツラさげてということになります。

特に施設の子供たちに対しての欺きは重大です。

障害を持つ子供たちにとって佐村河内氏はまさに希望であり憧れであったと思います。

よくもまあそんな子供たちを欺き続けたものだと。

聴覚障害の作曲家として、「同情票を得ながらのうのうとメディアの中で作曲家として進んでいけるほどの図太い神経は、持ち合わせてはいませんでした。」という記述があります。

いやいや、それどころではないとんでもなく図太い神経をお持ちではないですか。

ピアノは初歩的レベル、楽譜は書けないとのことで、もちろん絶対音感なんてあるはずない。

それで作曲家としてメディアに露出し、こうやって本まで出すのですからその神経は並ではありません。

昔から虚言癖があったとのことですが、この期に及んで弁護士までもが佐村河内氏に不信感を持ち代理人を辞任したとか。

まったくいやはやです。

そしてゴーストライターだった新垣氏に逆切れ訴訟を起こし、テレビ番組にまで申し立てをしているようですね。

普通ならただひたすら申し訳ございませんと波風立たないように振舞うはずですが。

どこまでいっても自己主張の強い人なんだなと。

この文庫本が幻冬舎から出版されたのが平成25年6月。

正体を暴露されたのが平成26年2月。

幻冬舎も「アイタ~ッ!」といったところでしょう。

しかしそこは幻冬舎社長であり敏腕編集者でもある見城徹氏

もしかしたらこの騒動を逆手にとって、顛末の手記を佐村河内氏に書かせるかもしれません。(笑)

でも見城氏はどの時期でかはわかりませんが、インチキを見破っておられたとのことですが。

posted by たろちゃん at 03:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする