2014年12月08日

「夜の鶴」芝木好子

Cimg2516

小鶴は下谷にある置屋「鶴の家」の芸者です。

竹久夢二の絵にも描かれたことのある美人。

千賀子という13歳の娘がいます。

母親は「鶴の家」の女将である関ですが、血は繋がっておらず養女です。

小鶴は千賀子を関に預け、自分は画家の朝蔭と同棲しています。

名妓とよばれる小鶴ですが、浮気がちな朝蔭にたいしては我を忘れるほど激しく嫉妬し刃物沙汰になるほど。

そんな母を見てこのようにはなるまいと思う千賀子ですが、歳を重ねていき、やがて10歳年上の叔父である宏治を愛するようになります・・・・。

関、小鶴、千賀子という花柳界に生きる3代の女を描いた作品です。

小鶴は「下谷に小鶴あり」といわれるほどの名妓で娘の千賀子もその美しさを譲り受けており芸も達者なのですが、お座敷に出るのを頑なに拒否しています。

母親に対しての反発でしょうか。

そんな千賀子が関は残念でなりません。

しかし血は争えないといいますか、小鶴が朝蔭に執着するがごとく、千賀子は宏治に激しく愛執するんですね。

下谷という土地を舞台にし、親娘3代の関係という縦軸、それぞれ男に激しく恋慕するという横軸、そして芸の世界という芝木文学の魅力を存分に味わえる設定。

そんな中で世代の違う女たちの生きかたを読ませる一冊です。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする