亜弥は29歳。
30歳を目前にしていまだ独身です。
女の幸せ=結婚と思っているわけではありませんが、やはり世間体は気になります。
そして周りは皆結婚し、自分だけが取り残されたような疎外感があります。
そんな亜弥が派遣先の一流企業である水島グループの社員で3歳年上の高原にプロポーズされます。
高原を愛しているわけではないのに亜弥は自分を納得させるようにプロポーズを受け、ダイヤの指輪をもらい婚約するのです。
しかしその後、水島グループの御曹司である25歳の水島康貴と出逢い、お互い一瞬にして恋に落ちます。
康貴は果敢に亜弥に迫ってきます。
気持ちとは裏腹に遊びで私を誘惑しないでと拒否する亜弥。
好きあっているにもかかわらず2人の気持ちはなかなか通じ合いません・・・・。
エタニティ文庫、相変わらず設定がキテますね。(笑)
一流企業のサラリーマンと婚約し、しかしまだそこにその会社の御曹司から迫られるという。
作者の好みでしょうか、どちらも“肩幅ががっちりとして胸板が厚い”体格です。
あとはちょっぴり匂いフェチですね。(笑)
そして本命の康貴は年下。
「どうせ私みたいな年上の女なんか・・・・」といじけた気持ちを持つあたりもお決まりのパターン。
女性って年上ということを気にするんですねぇ。
いろいろとツッコミどころも満載。
舞台は大阪で主人公の亜弥も大阪人なのですが言葉は全員標準語。
康貴は東京の人間だからいいんですけど。
なぜか亜弥の弟だけ大阪弁。
それもけったいな大阪弁です。
高原が亜弥にプロポーズするのはいいのですが、付き合って3ヶ月で体の関係もなくプロポーズするアホがどこにおる。(笑)
その他、レストランの前菜で鴨のローストとか(そういうのを使ったサラダもありますけども)、いまどきラブホテルのベッドが丸いとか。
回転ベッドと書かなかっただけまだ救いです。(笑)
細部がけっこうボロボロなのですが、しかしお互いひたすら相手を想いつつも誤解を重ね歯車が噛み合わないもどかしさ。
くどいくらいそれを繰り返しつつだんだんと氷解していく展開には正直ちょっと感動もしました。
こりゃもう力技ですね。
そこまでやられたら、という感じです。
素人女性作家の願望小説だなと思いますが、しかしそういうレベルとして割り切って読むぶんにはそれなりに楽しめます。