蔵秀は夏負けの特効薬を商う定斎屋。
ですが定斎売りは夏の暑い三ヵ月だけの表の仕事で、それ以外は金の絡んだ厄介ごとを解決する裏の仕事をしています。
仲間は絵師で男のような身なりの雅乃、文師の辰次郎、飾り行灯師の宗佑。
「端午のとうふ」では発注間違いでとんでもない量の大豆を抱えることになってしまった問屋の大豆をいかに捌くか。
大胆なアイデアでとりあえずは成功を収めたものの・・・・。
「夏負け大尽」では紀伊国屋文左衛門も登場。
材木のやりとりで蔵秀たちは知恵を絞って渡り合います・・・・。
いやあ、面白かった。
これはコンゲームですね。
騙して金儲けしてやろうという連中を相手にそれを上回る知恵で仕掛けをし、先回りして手を打つ。
転んでもただでは起きない起死回生のアイデアで挽回する。
読んでいてわくわくしました。
そしてこの本でも山本作品にはお馴染みの、深川で賭場を仕切る猪之吉が渋く脇を固めています。
蔵秀や父親の雄之助、猪之吉、旦那衆らの男気がいい。
嫌味な成金として登場する紀伊国屋文左衛門でさえも、ここぞというときには心意気を見せます。
実によかった。
さすが山本一力ですね。
シビレました。(笑)
第2弾も出ていますので楽しみに読ませていただきましょう。
ラベル:時代小説