2015年01月11日

「限界集落株式会社」黒野伸一

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勤めていたIT企業に辞表を叩きつけ、自分で事業を起こす前に少しのんびりしようと祖父が住んでいた田舎にやってきた多岐川優。

しかしそこは限界集落といわれる過疎・高齢化の村でした。

村の人たちと馴染んでいくうちに、優は農業経営を立て直し村おこしすることを決意します。

経営のコンサルタントとしての手腕はあるものの、農業の経験はまったくありません。

そんな優の大胆な改革に村の人たちは拒否反応を示します。

はたして優は村を立て直すことができるのか・・・・。

地方の過疎、高齢化、農業離れといった社会問題を取り上げ、エンターテイメントに仕上げた作品です。

あらすじとしてはけっこうお決まりのパターンではあります。

祖父の地元とはいえ都会からやってきた優の口出しに反対する村人たち。

その中のひとりが大内美穂です。

敵意をむき出しにして優に反発する美穂ですが、やがて優の考えに賛同し、さまざまな障害を乗り越え、一緒に村を立て直していくことになります。

都会から就農研修に来た3人の若者たちや、美穂の兄の正登、そして気のいい老婆たちなどの脇役もうまく配置されています。

恋愛も盛り込まれて。

このままでは消滅するしかない寒村がだんだんと栄えていく過程は読んでいて気持ちいい。

かといってスムーズにいくわけでもなくピンチがあったりして。

ストレートに楽しめるエンターテイメント小説でした。

ラベル:小説
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2015年01月09日

「BRUTUS 美味求真 食にこだわった男たち女たちと、その本。」

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まさにサブタイトルの通りの内容です。

料理人、料理研究家、作家など、食にこだわったいろんな人たちが登場します。

メインタイトルの元になっているのが大正14年に出版された木下謙次郎著「美味求真」。

普通の食材だけではなく、爬虫類や虫までもが図鑑のように紹介されているそうです。

ここまで食を追及するともう天晴れとしかいいようがありません。

さて、この本の内容ですが、料理を食べることや作ることにこだわった人たちだけではなく、生産者、グルメ本、グルメ漫画、小説の中の食事描写など多岐にわたって紹介されています。

グルメ本は私もよく読みますのでありがたい。

既読のものもあればこんな本があったのかというのもあります。

保存版となる一冊ですね。

ラベル:グルメ本
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2015年01月07日

「夢を与える」綿矢りさ

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フランス人と日本人のハーフの父親と日本人の母親のあいだに生まれた夕子。

そのかわいさで幼稚園の頃からチャイルドモデルをすることになります。

最初は通販カタログのモデルなどでしたが、転機は食品会社のチーズのCMです。

1年に2回新しいCMを撮り、半永久的に夕子の成長を撮り続けるというコンセプト。

ただし契約時の条件が会社のイメージを損ねるようなスキャンダルは絶対に起こさないということ。

マネージャー役の母親は固く約束し、仕事を引き受けます。

このCMで夕子は“ゆうちゃん”として親しまれ、ブレイクすることになります。

やがて高校生になった夕子は無名のダンサーに恋をします。

周りの反対を押し切って付き合い始めるのですが・・・・。

国民的なアイドルとなった少女の栄光、そして一気に崩れ落ちていく悲惨な姿を描いています。

アイドルといえどもやはりひとりの女の子ですし、所詮は子供です。

大人のビジネスの世界で無垢な心だけではやっていけません。

主人公の痛々しさが切ない。

綿矢氏の作品を読むのはこれで4冊めですが、今までの中ではいちばんよかったです。

主人公は「夢を与える」という言葉に違和感を持ち、そのおこがましさについて作中でも触れています。

これはそのまま作者の考えであり、そのあたりの感性はさすがだなと思いました。

ラベル:小説
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2015年01月05日

「ケンカ道 その“究極の秘技”を探る」篠原勝之

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ゲージツ家の著者がいろんな格闘家に昔の武勇伝を伺うという内容です。

登場する人物は13人。

前田日明、シーザー武志、ディック・マードック、芦原英幸、佐山聡、東孝、藤原喜明、大沢昇、上田馬之助、アントニオ猪木、塩田剛三、カール・ゴッチ、大山倍達。

これらの人たちのインタビューの間にコラムのような形で著者の経験談も書かれています。

タイトルから思うほどケンカに特化した内容ではありませんので、そういう意味ではやや物足りません。

ですが格闘技に興味ある人にとってはいろんな格闘家たちのエピソードを知ることができますので、楽しめる一冊でしょう。

ラベル:エッセイ
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2015年01月03日

「銀座ナイルレストラン物語」水野仁輔

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銀座は新歌舞伎座のすぐ近くにある「ナイルレストラン」。

日本で初めてのインド料理店です。

そんなナイルレストランの3代にわたる歴史を綴ったのがこの本です。

著者は「東京カリ~番長」の水野仁輔氏。

初代が留学のため日本にやってきて、日本人女性と結婚。

そしてインド料理店を始めるのですが、実際にメニューを考えたり料理を作ったりしたのは由久子夫人です。

初代はホールを担当しておられ、名物オヤジだったようですね。

「混じぇて食べて」が口癖で、カレーとライスをよく混ぜて食べないと客を怒ったのだとか。

それは初代が亡くなられた今も引き継がれているようです。

この本のメインは2代目のGMナイル氏。

店が火事になったり、いろんな苦労をされたようです。

テレビにもよく出ておられるそうですね。

私はあまりテレビは観ないので知りませんけども。

この本を読むと多くの人に愛されているお人柄がよく伝わります。

そして名物のムルギランチというのがぜひ食べたくなりました。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 05:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 『み』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする