2015年02月28日

2月の一冊

今月は13冊読みました。

・「書店ガール2 最強のふたり」碧野圭
・「マンガホニャララ」ブルボン小林
・「化学探偵Mr.キュリー」喜多喜久
・「黄色いリボン」有吉玉青
・「ふらんす料理への招待」日影丈吉
・「硝子の葦」桜木紫乃
・「制服概論」酒井順子
・「涼宮ハルヒの消失」谷川流
・「ぼくが料理人になったわけ」小林充
・「痴人の愛」谷崎潤一郎
・「エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた」野地秩嘉
・「納豆の快楽」小泉武夫
・「お宝食積 料理人季蔵捕物控」和田はつ子

「書店ガール2 最強のふたり」、書店という業界を描いたワーキング小説。

ベタではあるんですけどぐいぐいと読まされました。

「マンガホニャララ」、著者は芥川賞作家の長嶋有。

さすがにマンガの分析もひと味違う?

「化学探偵Mr.キュリー」、探偵ものって好きではないんですけどね。

でも意外と楽しめました。

「黄色いリボン」、著者の経験をもとに書かれた小説とのこと。

もう少し練れていればと思いました。

「ふらんす料理への招待」、著者はミステリー作家。

ですがあの村上信夫氏が教え子だったほどフランス料理に精通した人でした。

「硝子の葦」、母親の愛人と結婚したという主人公。

下世話な興味をそそる設定ではありますが、ちょっと強引に作りすぎかなという気がしました。

「制服概論」、名エッセイストによる制服についての考察。

ですます調のやわらかい文章ですが、視点は鋭い。

「涼宮ハルヒの消失」、タイトル通り主人公のハルヒがいなくなってしまいます。

シリーズだからこそできるアイデアですね。

「ぼくが料理人になったわけ」、さまざまな料理人を取り上げておられます。

あまりマスコミに登場していない料理人も紹介しておられるのがいい。

「痴人の愛」、ずいぶんと年下の女に振り回され服従する男の話。

愛というよりもエロが男女の根本なのかと。

「エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた」、だまし絵で有名なエッシャー。

なんとも人を惹きつける魅力があるんですね。

「納豆の快楽」、小泉センセイといえば奇食珍食、そしてくさい食べ物。

というわけで得意ジャンルの納豆をいろんな角度から取り上げておられます。

「お宝食積 料理人季蔵捕物控」、もうほんとにどうしようもないレベルのシリーズです。

作者も出版社もよくこんなのを出せるなと思います。

さて。

今月はちょっと地味な印象。

その中にあって「書店ガール2 最強のふたり」が素直に感動させられました。

いかにもな展開ではあるのですが、フィクションの中にも実在の作家や作品の名前を散りばめ、現実との接点を作っています。

なので作り話ではあるものの立体感があるんですね。

次作もぜひ読みたいと思える作品です。

今月はこれで。

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posted by たろちゃん at 03:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月26日

「お宝食積 料理人季蔵捕物控」和田はつ子

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シリーズ第4弾です。

先に第5弾を読んでしまったのですが差し支えはありません。

いつも代わり映えしない話ですし。

相変わらず人が殺されます。

いやはや。

表題作は「お宝食積」。

正月の飾り物である食積に客が真珠を隠すとかいう話です。

・・・・。

ひどいのは最後の「精進切り」。

ラストはギャグとしか思えません。

これ作者が真剣に書いたんでしょうか。

ぷぷぷっと笑いながら書いたのではないかと思えるのですが。

だってこんな話をまじめに書いたのだとしたらあり得ないです。

それを通した編集者も。

ここまでレベルの低い作品を連発されると、これは確信犯なのかと思ってしまいます。

きっとそうですよね。

posted by たろちゃん at 03:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 『わ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月24日

「納豆の快楽」小泉武夫

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『味覚人飛行物体』として知られる著者が本書では『発酵仮面』として納豆を熱く語っておられます。

著者の小泉氏の実家は酒造家ですし、自身も発酵や醸造についての権威であります。

なので発酵食品である納豆には目がなく、つねに納豆を携帯しておられるほど。

しかしそれはただ単に美味しいからという理由だけではなく、食品として非常に優れた納豆の効能を支持しておられるからです。

例えば氏は海外旅行の際、必ず納豆を持参されるとか。

しかも30パックほど。

これで食中毒やらを切り抜けてこられました。

例えば真夏のラオスにて。

間違って生焼けのウナギ串焼きを食べたとき。

酔っぱらっていて3本ほど食べた後であとでふと生焼けに気付いたのだとか。

風土病やらジストマの危険性があるので生魚はタブーな地域。

慌てて納豆2パックを食べて翌日なにもなく事なきを得る。

あるいはベトナムでのスッポンスープ。

腹が空いているので出されたのに飛びついたところ、生ぬるく不快なにおいが。

よくみると薄い膜のようなものが浮いていて、明らかに枯草菌かなにかに汚染されたようなスープだったとか。

慌てて納豆を食べて事なきを得る。

その前によく見て食べろよと思いますけどね。(笑)

つまり納豆には食中毒を防ぐ力もあるということです。

納豆菌はO157を死滅させるという研究結果があるというのも他の著者の本で読んだことがあります。

もちろん栄養価は高い。

実に優れた食品であるのは確かです。

そんな納豆について歴史やら栄養学的な見地からの分析、そして納豆を用いた料理のレシピなども紹介されています。

私は大阪人ですが納豆大好きです。

ぜひぜひこのような本を読んで納豆が理解され、日本が世界に誇るこの優れた食品がもっともっと理解されて受け入れられますように。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 05:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 『こ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月22日

「エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた」野地秩嘉

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版画家M・C・エッシャー。

だまし絵の画家として有名で、名前は知らなくとも誰もが一度は作品を目にしたことがあるのではないでしょうか。

不思議な魅力を持つエッシャーの作品に魅せられた人たちを追ったノンフィクションです。

例えば有名ファッションブランドの取締役はコレクションを手に入れるため、数億円の借金を抱えることになります。

ある画商はエッシャーの絵を広く知ってもらおうと、あちこちで展覧会を企画し駆け回ります。

『少年マガジン』で活躍した伝説の編集者大伴昌司もエッシャーに惚れ込んだ一人でした。

連載中の『あしたのジョー』がジョーと力石の死闘でいちばん盛り上がっているときに、『少年マガジン』の表紙をエッシャーで飾ったほど。

そんな人たちの熱い思いがあり、日本でも現在では展覧会を開催するとつねに盛況という人気の画家となりました。

芸術としてはそれほど高く評価されていないようですが、しかしそのトリッキーな作品の面白さは老若男女にかかわらず楽しめる魅力があると思います。

なによりあの精緻な作品がすべて版画だというのがすごい。

機会があれば私も一度展覧会に足を運んでみたいと思います。

posted by たろちゃん at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 『の』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月20日

「痴人の愛」谷崎潤一郎

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勤勉なサラリーマンの河合譲治は二十八歳。

カフェで女給をしていた十五歳のナオミを見初め、この少女を引き取って教育し自分好みの女性に育て上げようとします。

やがて妻にしたのはいいのですが成熟していくにつれ妖艶さを増し、その魅力にとりつかれた譲治はナオミに翻弄されます。

贅沢三昧をし、平気で他の男と遊ぶナオミ。

そんなナオミをなんとか引き付けておこうと、譲治の生活はどんどん崩れていきます・・・・。

昔から女で身を持ち崩す男というのはよくいるわけで、その場合の女というのがまた知性も教養も常識もあるしっかりとしたタイプではなく、パッパラパーだったりするわけですね。

体だけしか取り柄が無いような。

しかし男はそんなのにムラムラと惹かれてしまったりする。

この作品のナオミというのもまさにそんな女で、頭が悪く貞操観念が無い。

いわゆる公衆便所というやつです。(作中でもそれらしい表現が出てきます)

ですがプライドや物欲は人一倍。

そんなナオミに振り回され、身を持ち崩していく譲治の情けなさが読みどころです。

男と女というのは今も昔も変わりませんね。

で、これを読みますとやはり谷崎はマゾだったんだなぁと思えます。

肉体的にはどうかわかりませんが、精神的には女性を崇拝してひれ伏す性癖があったのは明らかでしょう。

創作とはいえそれが滲み出ています。

脚フェチですしね。(笑)

谷崎の文学というと文豪の小説として取っ付きにくく思われがちですが、なんのなんの。

人間の俗物さや性欲を赤裸々に描き、なかなかエンターテイメントしています。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする