2015年02月08日

「黄色いリボン」有吉玉青

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OL4年目の風子は自分を擦り減らすような毎日に疑問を抱き、なにかをやれるような自分になりたいとボストンの大学院に留学します。

しかし現実は厳しい。

ひたすら学校と寮の往復で街は色彩を失い、試験には失敗して単位も取れず。

いったいなにしに自分は留学したのか。

自分を見失いそうになる中、テレビでイラクがクウェートに侵攻したというニュースが流れます。

ブッシュ大統領はサウジに軍隊を派遣し、湾岸戦争が始まります。

出征兵の無事を祈って街には黄色いリボンが溢れるのですが、戦争の当事者であるこの国も風子の日常もなんら変わりありません。

テレビでは毎日空爆の映像が流されています。

しかしまったくリアリティがない。

この国は本当に現在戦争をやっているのか。

風子はそんな状況と自分の居場所に非現実感と戸惑いを抱きます・・・・。

作者のデビュー作です。

外国に留学するという日本での日常から脱した状況にこれまた湾岸戦争という一般人には現実感のない出来事を重ね、主人公の彷徨う心理を描いているわけですが。

実際のご自身の経験からこれを小説にしようと筆を取られたそうですが、ちょっとベタすぎましたかね。

タイトルにしてもそう。

小説としてはもう少し練って発酵させないと味わいが出ないのではと思います。

しかしこれはこれで作者にとっては書いておくべき作品であったでしょう。

デビュー作ならではの思いのこもった若々しさといえましょうか。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 『あ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする