2015年02月10日

「ふらんす料理への招待」日影丈吉

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まず最初の章で読者にフランス料理に高級なイメージを持っていないかと著者は問いかけます。

普通なら決してそんなことはないというところですが、「高級という点は認めてもいいが」ときます。(笑)

ただし「様式的な格式ばった食事は、フランス料理の本質とはなんの関係もない」と。

なんやらようわかりませんが。

この本の内容の初出は1971年と1976年。

今と違い、まだ一般庶民にはフランス料理が馴染みない時代です。

そんな時代にフランス料理を啓蒙しようとしたのは立派。

でもフランス料理といってもピンキリでして、当然ながら一般的なフランス人の食事は決して高級ではありません。

日本でいえば料亭クラスの料理を日本人が毎日食べているわけじゃない。

そんなのは特別です。

この本ではレストランの料理を焦点にして語っておられるので、「高級という点は認めてもいいが」となってしまうのですね。

フランス料理といえばレストランというのがやはり時代を感じさせます。

もちろん今もそうなんですが。

70年代は街中に気さくな店などなく、高級ホテルのレストランで食べる料理という時代でしたし。

なのでこの本はフランス料理への招待というよりも、フランス料理店への招待といったほうがいいかもしれません。

ちなみにこの著者はミステリー作家ですが、フランス料理に対しての造詣は深く、帝国ホテルの村上信夫氏やホテルオークラの小野正吉氏といった伝説のシェフたちを君付けで呼んでおられたような立場です。

すごい。(笑)

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 03:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする