版画家M・C・エッシャー。
だまし絵の画家として有名で、名前は知らなくとも誰もが一度は作品を目にしたことがあるのではないでしょうか。
不思議な魅力を持つエッシャーの作品に魅せられた人たちを追ったノンフィクションです。
例えば有名ファッションブランドの取締役はコレクションを手に入れるため、数億円の借金を抱えることになります。
ある画商はエッシャーの絵を広く知ってもらおうと、あちこちで展覧会を企画し駆け回ります。
『少年マガジン』で活躍した伝説の編集者大伴昌司もエッシャーに惚れ込んだ一人でした。
連載中の『あしたのジョー』がジョーと力石の死闘でいちばん盛り上がっているときに、『少年マガジン』の表紙をエッシャーで飾ったほど。
そんな人たちの熱い思いがあり、日本でも現在では展覧会を開催するとつねに盛況という人気の画家となりました。
芸術としてはそれほど高く評価されていないようですが、しかしそのトリッキーな作品の面白さは老若男女にかかわらず楽しめる魅力があると思います。
なによりあの精緻な作品がすべて版画だというのがすごい。
機会があれば私も一度展覧会に足を運んでみたいと思います。
ラベル:ノンフィクション