『味覚人飛行物体』として知られる著者が本書では『発酵仮面』として納豆を熱く語っておられます。
著者の小泉氏の実家は酒造家ですし、自身も発酵や醸造についての権威であります。
なので発酵食品である納豆には目がなく、つねに納豆を携帯しておられるほど。
しかしそれはただ単に美味しいからという理由だけではなく、食品として非常に優れた納豆の効能を支持しておられるからです。
例えば氏は海外旅行の際、必ず納豆を持参されるとか。
しかも30パックほど。
これで食中毒やらを切り抜けてこられました。
例えば真夏のラオスにて。
間違って生焼けのウナギ串焼きを食べたとき。
酔っぱらっていて3本ほど食べた後であとでふと生焼けに気付いたのだとか。
風土病やらジストマの危険性があるので生魚はタブーな地域。
慌てて納豆2パックを食べて翌日なにもなく事なきを得る。
あるいはベトナムでのスッポンスープ。
腹が空いているので出されたのに飛びついたところ、生ぬるく不快なにおいが。
よくみると薄い膜のようなものが浮いていて、明らかに枯草菌かなにかに汚染されたようなスープだったとか。
慌てて納豆を食べて事なきを得る。
その前によく見て食べろよと思いますけどね。(笑)
つまり納豆には食中毒を防ぐ力もあるということです。
納豆菌はO157を死滅させるという研究結果があるというのも他の著者の本で読んだことがあります。
もちろん栄養価は高い。
実に優れた食品であるのは確かです。
そんな納豆について歴史やら栄養学的な見地からの分析、そして納豆を用いた料理のレシピなども紹介されています。
私は大阪人ですが納豆大好きです。
ぜひぜひこのような本を読んで納豆が理解され、日本が世界に誇るこの優れた食品がもっともっと理解されて受け入れられますように。
ラベル:グルメ本