2015年03月06日

「パトロネ」藤野可織

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妹が『私』と同じ大学に入学し、『私』のワンルームマンションに同居することになります。

そして写真部に入った妹を追いかけるように『私』も入部します。

にもかかわらず『私』を無視し続ける妹。

『私』は皮膚炎を患い、変な医者に通うのですが一向によくなりません。

やがて妹は部屋を出て行き、知らない少女が住み着きます・・・・。

この作家の作品は初めて読んだのですが、こんなシュールな作風だったんですね。

現実の世界がだんだんと非現実的な世界に覆われていきます。

解説で星野智幸氏が“ざらつき”と“つるつる”の対置ということを書いておられます。

「ああ、そうなのか」と。

まったく読めませんでした。

全然修行が足りませんね。

タイトルの「パトロネ」も読む前はパトロンのことなのかなと思ってましたし。(笑)

私としては併録されている「いけにえ」のほうが面白く読めました。

地味な美術館の常設展示室の一画にある小部屋。

鉛筆画の画家の展示室なのですが、そこに悪魔のような小さな生き物が現れて。

その悪魔目当てにボランティアで監視員を引き受けた主婦・・・・。

これもやはりシュールであり、そしてちょっとブラック。

現実に非現実が紛れ込んでくるというのは表題作と同じですね。

どちらも見た目は穏やかな水面なんですけども、その下にはちょっとした濁流があるみたいな。

それを淡々と描いておられるように思います。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ふ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする