2015年03月14日

「月魚」三浦しをん

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老舗の古書店『無窮堂』を経営する若き店主の真志喜。

業界では名の知られた祖父の本田翁から店を引き継いだ3代目です。

その友人で同じ仕事をしている瀬名垣。

父親は『せどり屋』と呼ばれる、ごみに近い本や後ろ暗いルートで仕入れた本を売るのを生業としていました。

業界ではあまりいい顔をされません。

ですがそんな父親に本田翁は目をかけていました。

なので瀬名垣も幼い頃から『無窮堂』に出入りし本田翁にもかわいがられ、真志喜とは幼馴染みの間柄です。

ですが二人のあいだはどうもぎこちない。

過去になにがあったのか・・・・。

古書の世界を舞台に、真志喜と瀬名垣の関係をしっとり淡々とした筆致で描いています。

はたして二人のぎこちなさの原因はなんなのか。

まずそういうミステリー的な要素があり、同性愛を匂わせる設定であり、これが耽美的な雰囲気を醸しています。

友情の物語であり、親子の物語でもあり、公にできない恋愛の物語でもあるでしょう。

それらいろんな要素を取り入れつつも、冷ややかで静謐な世界が魅力の小説です。

ラベル:小説 本・書店
posted by たろちゃん at 03:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 『み』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする