2015年04月17日

「マラケシュ心中」中山可穂

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最近歌壇で注目されている緒川絢彦は35歳。

男性の名前ですが実は女性です。

それを知るのは歌壇でもごく一部の人間だけ。

絢彦は歌会でファンだという30歳の小川泉と出逢います。

泉は絢彦が女性だとは知らずに出逢うわけですが、絢彦が実は女性だとわかっても落胆することなく見つめてきます。

そんな泉に心を奪われる絢彦ですが、泉は人妻であり、その夫というのが絢彦の恩師であり歌壇の重鎮でもある小川薫風なのです。

泉への想いはつのる一方なのですが、そんな気持ちに気付いた周りからはさすがに反対されます。

理性では叶わぬ恋であり手を出してはいけない相手であると知りつつも、絢彦は想いを抑えきれません。

自身の性癖を告白し、自分を愛してはくれないのですかと泉に迫るのですが、セックスを伴う愛ならそれは受け入れられないと拒否されてしまいます。

だからといって泉をあきらめることなどできない絢彦は激しく葛藤します・・・・。

いやもう。

いつも同じ感想になってしまうのですが、熱く激しいですね、中山可穂の作品は。

以前にも書いたと思うのですが、スタートからトップギアで全開です。

「感情教育」を読んだときこれが中山氏の到達点だと思いましたが、本作を読みますとまだまだなんのそのといった感じですね。

報われない恋に懊悩する絢彦の泉に対しての言葉『生殺しよりは即死を』なんて、これ凄まじ過ぎます。

中山氏の描く世界はいつも女性同士の恋愛です。

それゆえになんでしょうか、男女の恋愛を描いたそこらの小説よりもよほどその想いはピュアで情熱的です。

じゅうぶんな読み応えに堪能し、その緊張感から解放された読後はちょっと腑抜けになってしまうほど。(笑)

寡作な作家さんですが、ぜひぜひこれからも追いかけていきます。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 02:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 『な』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする