著者は「火宅の人」や「リツ子 その愛」などで知られる直木賞作家です。
無頼派の作家としても知られていますが、私にとってはなによりもやはり“食”の人ですね。
作家には食にこだわりのある人が多く、いろんな作家が食についてのエッセイを書いたりしています。
ですが本書のようにここまで徹底して自分で料理をし、発表する作家というのはそうそういません。
開高健も食通として知られていますが、もっぱら食べるほう専門でしたしね。
さて、本書で紹介されているレシピは92品。
日本国内に限らず世界中を放浪して食べ歩き、自分流にアレンジしたレシピです。
読んでいますとしみじみと、食べることそして料理することが好きだったんだなぁと感じます。
「買出しほど好きな仕事はない」と宣言しておられるほどですから。
たしかに市場って眺めているだけでも楽しいですもんね。
この本は決して気取った料理の紹介ではありません。
家庭でできる料理ですので、料理好きには大変参考になります。
ラベル:グルメ本