2015年06月25日

「二度はゆけぬ町の地図」西村賢太

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短編4編収録。

主人公はお馴染み北町貫多です。

「貧窶の沼」では三畳のアパートの家賃がまともに払えません。

中卒で17歳の貫多はなかなかまともな仕事にありつけず、どうにか酒屋のアルバイトをみつけます。

しかしそこでも自己中心ぶりを発揮し、彼女にも愛想を尽かされ・・・・。

「春は青いバスに乗って」は爽やかなタイトルですが、相変わらず短気な貫多はバイト先の居酒屋の主任に暴力を振るい、12日間留置場で過ごすことになってしまいます。

しかしそんな生活も悪くはないなと思ってみたり。

「潰走」は老夫婦が経営するアパートの家賃をさんざん滞納し、あげくのはては夜逃げして踏み倒し。

しかしその後訪問販売のアルバイトをしているときに・・・・。

最後の「腋臭風呂」はタイトルがすごいですね。(笑)

いつも通う銭湯でたびたび腋臭の持ち主と遭遇し不快に思うという話なのですが、話は20年後に移ります。

呼んだデリヘル嬢が強力な腋臭でしかもマン臭であったということで、20年前の腋臭風呂の思い出に重ねます。

そこに話が着地するかと。(笑)

どの作品も相変わらずわがままで短気で貧乏で情けない主人公の姿を描いています。

でもそれが滑稽でどこか憎めないんですよね。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 『に』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする