2015年09月15日

「タタド」小池昌代

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短編3編収録。

イワモトは地方テレビのプロデューサー。

妻のスズコと3年前に買った海の家でほとんどの土日を過ごしています。

そこにスズコの知り合いでマイペースなオカダ、イワモトが番組で使っている女優のタマヨが集まり、食事をしながら夜を過ごします。

翌朝、イワモトはタマヨと、スズコはオカダと関係を持ちます・・・・。(タタド)

突如サーフィンに目覚めた夫と子供の時雄を連れて海に出かけた亜子。

夫が沖に出たまま帰ってきません。

ほとんどの遊泳客が引き上げる頃になって、ようやく亜子はなにをのんびりしていたのだろうと気付きます。

夫は戻ってくるのか・・・・。(波を待って)

中学時代のクラスメートである横山と偶然再会する無職の緒方。

横山は編集の仕事をしており、仕事を手伝ってほしいといわれます。

横山の自宅に連れられて行ってみると、同じくクラスメートだったサクラダが奥さんでした。

緒方は絵に45文字以内の文章で印象を添える仕事を依頼されます。

外出することもなくひたすら仕事を続ける横山夫婦と緒方・・・・。(45文字)

どれもちょっとシュールで不穏な雰囲気が漂っている作品です。

現実からふっと地すべりをおこしスライドしたような、寝起きで頭がボーッとして現実感がないような、そんな雰囲気を受けました。

名前をカタカナで書くことにより、人物や世界を平面化している感も受けます。

私は表題作よりも他の2編のほうに魅力を感じました。

「波を待って」がよかったか。

ぼんやりと夫を待ちつつ物思いに耽る亜子、砂浜で遊ぶ子供の現実、沖に出たまま帰ってこない夫の希薄ながらも引っかかる存在感。

いい配置だと思いました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 『こ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする