2015年09月17日

「銃」中村文則

Cimg2658

橋の下で拳銃を拾った「私」。

拳銃のそばには頭から血を流した男が倒れていました。

いや、男のそばに拳銃が落ちていたのです。

状況からして男はその拳銃で頭を撃ち抜き自殺したようです。

「私」は拳銃を持ち去ります。

拳銃の魅力に取り憑かれた「私」の生活は、拳銃を中心に回り始めます・・・・。

日常と非日常、現実と妄想、それらが入り混じり、「私」の人生を狂わせてく過程が描かれています。

ついにはその拳銃で人を殺す計画まで立て、実行に移そうとするのです。

拳銃と言う魔物に取り憑かれた狂気ですね。

それは未遂に終わったものの、いつ暴発するともしれない妄想と欲望を抱えた怖さ。

拳銃を手に入れたことにより世界を自由にできるかのように思う「私」の錯覚や、自分でコントロールできなくなるような不安定な精神。

以前に読んだ「土の中の子供」にもそのような重く暗いものを感じました。

この作家の作品はまだ2冊しか読んでいませんが、なんといいますか自分の心の闇を掘り下げようとしているところがいいですね。

かさぶたをひっぺがして曝け出してやろうみたいな。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 『な』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする