2015年10月31日

10月の一冊

今月読んだのは以下の14冊。
 
・「大阪「駅名」の謎 日本のルーツが見えてくる」谷川彰英
・「編集長を出せ! 『噂の眞相』クレーム対応の舞台裏」岡留安則
・「食べ物連載 くいいじ」安野モヨコ
・「仮面の告白」三島由紀夫
・「そんな食べ方では もったいない!」山本益博
・「相続人の憂鬱」知念みづき
・「おさな妻」富島健夫
・「さらば、わが青春の『少年ジャンプ』」西村繁男
・「残月 みをつくし料理帖」高田郁
・「食の堕落を救え! スローフードの挑戦者たち」小泉武夫
・「総特集 いしいひさいち 仁義なきお笑い」
・「職業外伝 紅の巻」秋山真志
・「ロマネ・コンティの里から ぶどう酒の悦しみを求めて」戸塚真弓
・「職人で選ぶ 45歳からのレストラン」宮下裕史

「大阪「駅名」の謎 日本のルーツが見えてくる」、雑学本ですね。

なるほどそういうことかと楽しく読めました。

「編集長を出せ! 『噂の眞相』クレーム対応の舞台裏」、なにかと物議を醸した「噂の眞相」。

裏話がたっぷりと紹介されています。

「食べ物連載 くいいじ」、漫画家による食エッセイ。

小説家ではなく漫画家の食エッセイというのはちょっと珍しいかも。

「仮面の告白」、三島のデビュー作ともいえる作品。

当時としてはセンセーショナルだっただろうなと思わせる内容です。

「そんな食べ方では もったいない!」、食べるにも技術がいると。

それは職人仕事への理解ということにもなりましょう。

「相続人の憂鬱」、大企業の御曹司との恋愛物語。

ですがいろいろとエピソードを作り工夫されています。

「おさな妻」、17歳の女子高生が人妻になるという設定。

この作品がそういう類の話の走りになるんでしょうか。

「さらば、わが青春の『少年ジャンプ』」、一時期は発行部数653万部というギネス認定の記録まで作った漫画誌の舞台裏。

著者は元編集長です。

「残月 みをつくし料理帖」、野江や佐兵衛との再会などいよいよ話も大詰めになってきました。

相変わらずいいですね。

「食の堕落を救え! スローフードの挑戦者たち」、まがいものの食品が跋扈する昨今。

地道に本物の食品を作る生産者たちを紹介した一冊です。

「総特集 いしいひさいち 仁義なきお笑い」、4コママンガの巨匠いしいひさいちのデビュー40周年記念本。

盛りだくさんな内容で楽しめました。

「職業外伝 紅の巻」、絶滅寸前の昔ならではの職業に就く人たちを紹介した一冊。

残ってほしいとは思いつつこれも時代なんだなと。

「ロマネ・コンティの里から ぶどう酒の悦しみを求めて」、パリ在住の著者。

フランスでのワインの楽しみ方について語っておられます。

「職人で選ぶ 45歳からのレストラン」、大人の店を紹介したグルメ本。

オールカラーの写真がいい。

この中から今月の一冊ですが。

やはり「残月 みをつくし料理帖」高田郁がよかったですね。

このシリーズは読むたび毎回候補となります。

それほど出来のいい作品だと思います。

今月の一冊はこれで。

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2015年10月29日

「職人で選ぶ 45歳からのレストラン」宮下裕史

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『本書は流行を追うのではなく、本質を求める「大人」の見識を持った方々に応えるレストランガイドブックでありたいと願っている。』

著者ははじめにこう書いておられます。

飲食店のガイドブックというとやはり流行の店ということになりがちです。

例えば某女性情報誌などは半年に一度各ジャンルの飲食店にグランプリを与えたりしています。

ですが2~3年前にグランプリだった店が今はまったく取り上げられません。

読者に飽きられるのでいつまでも同じ店を紹介し続けるわけにはいかないからです。

その店は相変わらず同じレベルを維持し続けているとしても。

「え? ○○○? あんな店もう古いよ。今は×××でしょ」なんて。

しかし本当にいい店というのはそういうものじゃないですよね。

話題になるとかならないとかではなく、自分にとって合う店を見つけたらひたすら通う。

10年でも20年でも。

店が10年20年続くかどうかはともかく。

そして料理は人だと著者は言います。

職人ですね。

料理や店にはその職人の個性が表れます。

その職人仕事に惚れ込み、黙って通い続ける。

それこそがミーハーな若い連中とは違う大人の店との付き合い方でしょう。

ここに紹介されているのは49店。

老舗が多数でさすがにどこもしっかりとした客層の店だろうなと思わせます。

店を選ぶのは客ですが、しかし店もまた客を選びます。

これらの店に出かけても浮かない大人に私はなりたい。

すでに手遅れですが。(笑)

ラベル:グルメ本
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2015年10月27日

「ロマネ・コンティの里から ぶどう酒の悦しみを求めて」戸塚真弓

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パリ在住の著者によるワインエッセイです。

夏のヴァカンスはロマネ・コンティの古里ブルゴーニュで過ごすといいます。

羨ましい。(笑)

サブタイトルにもあるようにこの本では『ワイン』ではなく『ぶどう酒』と表現されています。

「ああ、それっていいかも」と思いました。

なんだか生活に密着した酒という気がするではないですか。

実際フランス人にとってのワインは著者があとがきにも書いておられるように、『私はフランス人のように毎日ぶどう酒を飲む。といって、ぶどう酒がわかるとか、わからないとかいうために飲むのではない。ただ、ぶどう酒が好きだから飲む』なんですね。

食事には欠かせない飲み物です。

一般の人はワインについてウンチクなんて語りません。

ましてや家庭で普段飲むワインにおいてをや。

それこそ日本人が食事のときにお茶を飲むような感覚といってもいいくらい。

でも日本人はそういう楽しみ方ができないんですね。

今日は何飲んだ昨日は何飲んだ、味はどうだったこうだった、記録し、語らずにはいられない。

それはそれで日本人のワインのスタイルなんでしょう。

またそういうのがワインの楽しみのひとつであるのも事実です。

この本では著者がいろんなエピソードを交え、のぴのぴとワインの魅力について語っておられます。

いや、ぶどう酒について。

でもそれは決してマニアが語るようなウンチクや何飲みました自慢ではなく、ぶどう酒好きの溢れる悦しみなんですね。

ラベル:グルメ本
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2015年10月25日

「職業外伝 紅の巻」秋山真志

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以前に「職業外伝 白の巻」を読みましたが、それの姉妹巻です。

無くなりかけている職業に就く人たちを取材したルポタージュ。

この本では、飴細工師、俗曲師、銭湯絵師、へび屋、街頭紙芝居師、野州麻紙紙漉人、幇間、彫師、能装束師、席亭、見世物師、真剣師という12の職業が紹介されています。

たしかにどれも現在は馴染みがないですよねぇ。

飴細工師は子供の頃学校の前なんかで店(といっても自転車ですが)を出しておられました。

ひょいひょいと飴でいろんな物を作っておられましたね。

銭湯絵師も銭湯自体が無くなってきてますから仕事も激減。

昔は広い風呂に使って富士山の絵を眺めたものです。

彫師というのは最近のタトゥーブームで若者の集まる都会では需要があります。

私の住む大阪ではアメリカ村なんかに何軒も店がありますし。

でもそれは洋彫り。

ここで紹介されているのは和彫りです。

見世物師なんてのも見世物小屋自体がなくなりましたからねぇ。

私が子供の頃は正月になると神社の境内に見世物小屋が建ちました。

くび長女とかね。

見たかったのですが親が見せてくれなくて。

今となっては何が何でもあのときに見ておけばよかったと。

しかしどの職業も時代が需要しなくなったとはいえ、消えていくのは寂しいものです。

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2015年10月23日

「総特集 いしいひさいち 仁義なきお笑い」

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漫画家いしいひさいち。

デビュー40周年を記念して特集された本です。

発行は2012年。

いしいひさいちといえば、やはり「がんばれ!!タブチくん!!」でしょう。

これで一般にも知られる漫画家となりました。

それ以前にも「Oh!バイトくん」なんかでマニアからは高い評価を受けておられましたが。

ギャグのセンスが投げやりといいますか、起承転結なんて枠にはまらない意味があるのかないのか読者に頭を使わせるような作品も多数。

それまでの4コマ漫画の既成概念から飛び出された作風です。

なので多くの漫画家に影響を与えました。

朝日新聞に連載の「ののちゃん」に対しても意味がわからないというようなクレームもあるとか。

たしかに朝日新聞にいしいひさいちのマンガなんてすごいミスマッチな気がします。(笑)

そしてキャラがすごいんですね。

マンガというのはやはりキャラの魅力です。

この人の描くキャラはぶち抜きんでています。

例えばヒロオカの沈着冷静で馬鹿馬鹿しい圧倒的な存在感。

シノヅカなんてピカソの絵のごとくまったく原型を留めていませんが(笑)、やはりシノヅカなんですね。

ヒロサワも同じく。

あの口の位置。(笑)

小沢一郎なんて秀逸です。

記号のようなパーツで構成された顔といったら。

エリツィン、アラファト議長なんてもう完全にいしいキャラと化しています。

ここまで各界の著名人をキャラ化してしまうなんてすごいです。

キャラの天才ですね。

えっと、この本ですが、いろんな漫画家の寄稿があります。

いがらしみきお、しりあがり寿、とり・みき吉田戦車、他多数。

大友克洋のリスペクトインタビューもあります。

取材嫌いのいしい氏なので、アイデアノートや仕事場の公開なんて貴重なんじゃないでしょうか。

単行本未収録作品も掲載されており、存分にいしいひさいちを楽しめる一冊です。

ラベル:漫画本
posted by たろちゃん at 03:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする