会社の常務である柏木荘太と不倫の関係にあった西田りか。
それを知った荘太の妻美津子はりかに近付き、一人娘の美羽が兄と慕い家族の一員のように付き合っている落合圭一をりかの見合い相手に押し付けます。
見合い話は美津子からりかへの警告だったわけですが、見合いをした圭一はりかを見初め、りかもこの話を進めてほしいと美津子に返事をします。
美津子としては圭一がりかを気に入るはずなどなく、りかが居づらくなって会社を辞めていくだろうという思惑でした。
しかしその思惑とは違い、やがて二人は結婚することになります。
もちろんりかは美津子の思惑を知ってのことです。
そうなるとこれからもずっとりかと柏木夫婦の付き合いは続いていくわけです。
何事もなかったかのように二人を祝う荘太と美津子。
水面下でそれぞれの思惑とプライドが交錯し、物語は意外な方向に・・・・。
りか、圭一、荘太、美津子を中心に、柏木夫妻の娘の美羽、りかの友人の麻紀、りかや麻紀が師事する書道家の龍子なども絡んで複雑な人間関係が展開されるわけですが、とにかく狭い範囲で関係がつながりすぎです。
すべての登場人物がどこかでリンクしている。
これはこれで小説のひとつの手ではありますが、ちょっとご都合すぎて私はあまり好きではありません。
んなわけないやろと白けてしまうんですね。
それはそれとしてふむふむと読みましたけども。
まあ節操のない男と女たちの話ですね。
残花繚乱というよりも男女紊乱といったところでしょうか。
ラベル:小説