著者は吉本新喜劇の作・演出を手がけてきた人です。
この本の出版時(平成14年)は吉本興業の顧問であり大学の教授でもあります。
そんな著者が関わってきたオモロイ芸人たち。
登場するのは、西川きよし・ヘレン、花菱アチャコ、今いくよ・くるよ、藤田まこと、トニー谷、宮川大助・花子、人生幸朗、桂文珍、笑福亭鶴瓶、伴淳三郎、レツゴー三匹、林正之助・林せい。
でもこれ、どういう基準で選んだ人たちなんでしょ。
まったく脈絡がありません。
ないとだめなのかというともちろんそんなことはないんですけども、でもなんだかなぁと。
著者としてはご自分が深く関わってこられた人たちを紹介されたのかも知れませんが、読むほうとしてはこのラインナップに馴染めません。
それは紹介されている芸人さんに対してではなくこの本の構成にです。
ある程度基準は必要なんじゃないでしょうか。
西川きよしの場合は横山やすしではなくヘレンとコンビで紹介されています。
なんでやすしきよしやないねんと思います。
裏話的路線ということでこれもありかもしれませんが。
役者では藤田まことに伴淳三郎が登場しています。
じゃあ白木みのるは?
森繁久弥は?
それなら藤山寛美も取り上げてよと。
でも寛美は松竹だから関わりがなく無理だったんでしょうか。
もちろん一冊の本にいろんな人を収めるには限りがあります。
だからこそしっかりとしたテーマのもと、きっちりと構成していただきたかったわけです。
著者の文章も私にとってはオモロくなく、期待はずれの本でした。
ただ著者が見聞されたそれぞれの芸人さんのエピソードは貴重です。
ラベル:ノンフィクション