2015年12月13日

「壊れかた指南」筒井康隆

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ショートショートも含め30編が収められた短編集。

ですが不出来と思える作品も多数。

筒井氏ならではの毒気はあまりありません。

やはり夢からヒントを得たであろうと思われる作品が多いですね。

「漫画の行方」なんてまさにそう。

人格が1分周期で入れ替わるという「鬼仏交替」なんかは筒井節です。

「耽読者の家」と「店じまい」が地味ですけど読ませました。

前者は本好きの二人がひたすら本を読み続けるという話。

文学についての薀蓄が語られていますが、特にドラマといえるような出来事はありません。

後者は閉店するレストランにオーナーの身内らが集まって最後の食事をするという話。

ドタバタもなくしみじみと話が進んでいきます。

最後の「逃げ道」なんてのもじんわりと滲み込んでくるような話です。

それらはどれも奇抜な仕掛けのない静寂な作品なのですが、なんといいますか扉1枚向こう側、ふすま1枚向こう側になにか潜んでいるような不気味さもあります。

筒井作品であるからこその感想かもしれませんが。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 『つ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする