2016年01月20日

「時そば 料理人季蔵捕物控」和田はつ子

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シリーズ第6弾。

今回は表題作の他、「目黒のさんま」、「まんじゅう怖い」、「蛸芝居」と落語を題材にしています。

元噺家で今は廻船問屋の主である長崎屋五平が毎月噺の会を行なうということで、噺に出てくる食べ物で料理を作ってほしいと季蔵に依頼するのです。

季蔵はそれぞれの話に合わせてどのような料理を作るのか・・・・。

と同時に、やはりなんだかんだと事件が起こります。

黄泉山日之助という胡散臭い祈祷師と中西屋という呉服問屋が手を組んで動いているようなのですが・・・・。

いつも情けないほどレベルの低いこのシリーズですが、今まで読んできた中では今回がいちばんましだったかも。

それでも決して出来がいいとはいえませんが。

ふと気になったのはこの時代に「時そば」やその他の噺があったのかということ。

調べてみますと「時そば」は享保11年の笑話本「軽口初笑」の「他人は喰より」が元であり、明治時代に3代目柳家小さんが上方落語の「時うどん」を江戸話に置き換えたという説があります。

だとしたらこの小説の時代に「時そば」なんて噺はなかったことになります。

つまり時代考証がでたらめだということで・・・・。(笑)

江戸時代を背景にした古典落語といっても作られたのは明治時代以降というのも多いですしね。

ま、実際のところはどうなのか私にはわかりませんけども。

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2016年01月18日

「ダブル・ジョーカー」柳広司

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帝国日本陸軍に極秘に存在する諜報機関、通称“D機関”。

結城中佐が率いるスパイ組織です。

しかし非正規のルートから莫大な資金を引き出していたり直属の上官に報告義務を持たなかったり、なにより陸大や陸軍士官学校の卒業生からではなく軍の外部から人員を採用しているというのが異端。

陸大出の奴らは使えないと。

結城中佐の方針です。

当然軍内部にはそれを面白く思わない連中がいます。

阿久津中将は自分と同じく陸大出身でエリートの風戸中佐を呼びつけ、新たな秘密諜報員養成機関を立ち上げるよう指示します。

通称“風機関”。

英国大使を務めたこともある元外交官が英国のスパイと接触し、日本陸軍の軍事機密を漏らすとの情報にD機関と風機関が動きます。

風機関はD機関を出し抜けるのか・・・・。(ダブル・ジョーカー)

シリーズ第2弾、連作短編集です。

なんといいますか、タイトでストイックな雰囲気の世界観がいいですね。

全編を通して誰が主人公というわけではありません。

その章ごとに主人公がいるわけですが、やはり影の主人公は結城中佐でしょう。

ほとんど話の中には直接出てこないんですけども。

でも存在感があります。

前作を読んだときは長編だと思っていたので連作短編にちょっと肩透かし感があったのですが、今回は前もって認識しての読書。

いろんなエピソードで楽しめました。

ぜひ続編も読みたいと思わせるシリーズです。

ラベル:小説
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2016年01月16日

「思い出のとき修理します3 空からの時報」谷瑞恵

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シリーズ第3弾。

連作短編集です。

懐中時計をめぐり、秀司の高校時代の同級生と津雲神社の賽銭箱にシルバーのチェーンを投げ込んだOLの話。

彼らにはどのようなつながりがあるのか・・・・。(星をさがす人)

明里の遠い記憶にある花畑の情景。

義父と実父に対しての思いに向かい合う明里の気持ちが描かれます・・・・。(コスモス畑とからくり人形)

秀司の店の手伝いに来ていた郁美の存在にやきもきする明里。

しかしそのことにより秀司とのつながりを再確認することに・・・・。(逆回りの時間)

商店街に明里を捜し歩いている男が現れます。

その男と明里には意外な関係が・・・・。(さようならカッコウの家)

シリーズの3作目なわけですが、過去の2作にも感じましたようになんとも稚拙です。

作者の話作りもそうですし、主人公も30歳に手が届く年齢にしては幼稚。

少女小説の主人公じゃないんだから。(つーか、これはもしかして少女小説なのか?)

ご都合な設定や話の展開にも「んなアホな」と白けてしまいます。

今後もシリーズが続くと思われますが、私はもう読むのをやめます。

ラベル:小説
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2016年01月14日

「酒肴奇譚 語部譲児之酒肴譚」小泉武夫

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諸白譲児と名乗る語部が長年にわたって見聞した酒と肴にまつわる珍談・奇譚の数々。

全10話からなる酒に関する話を存分にお楽しみあれ。

江戸時代の大酒飲み合戦、究極に贅沢な宴会の最後の料理、世界の奇酒・珍酒、刺身と酒について、煮魚・焼魚、とっておきの肴などなど・・・・。

ということで、諸白譲児こと小泉武夫センセイによる酒や肴についてのエピソードが満載の本であります。

小泉センセイといえば世界中を食べ歩き各国のゲテモノ食文化を研究しておられますが、醸造と発酵の権威であらせられます。

ご実家は造り酒屋とのこと。

なので食べ物だけでなく酒についても専門分野であり、非常にイヤシイ詳しい大人物です。

とにかく小泉氏の著作は面白いんですよね。

やはり世界各国の珍食・奇食の食べ歩きというイメージが強いのですが、それは決してミーハーなものではなく各地の食文化の研究と紹介です。

こんなのがありますよとの紹介だけじゃなしに、実際にご自身で食べておられる。

それが堅苦しくなくテレビの罰ゲーム的なレポーターのようにいちびっているのでもなく、愛情を込めて食文化として面白く紹介しておられるのがいい。

氏のお人柄や文才が感じられます。

今回は酒にまつわる話ですが、酒飲みを自認する人なら読んでおきなさいと言っておきましょう。(笑)

ラベル:グルメ本
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2016年01月12日

「オレたち花のバブル組」池井戸潤

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「オレたちバブル入行組」で起死回生の活躍をし、東京中央銀行営業第二部次長に栄転した半沢直樹。

今回は法人部管轄である老舗の『伊勢島ホテル』が巨額損失を出し、その再建を押し付けられます。

尻拭いのような仕事を押し付けられた半沢。

一方、中堅電機メーカー『タミヤ電機』に出向した半沢の同期である近藤直弼の近況も同時に描かれます。

精神的な病を抱えつつも出向先のイビリに耐えて仕事をする近藤。

ですが近藤は開き直って精神的な病を吹き飛ばし『タミヤ電機』の不正を正そうと行動を起こします。

半沢ももちろんコケにされて黙っている男ではありません。

金融庁の検査に対しても敢然と立ち向かいます・・・・。

いやぁ、よかった。

全編ワクワクしながら読めました。

やはり半沢のキャラですね。

実に痛快です。

ろくでもない上司たちに屈することなく最後まで諦めない強気な姿勢。

金融庁検査官である黒崎駿一のオネエ言葉な嫌味あるキャラも面白かった。

半沢の妻、花も出番は少ないですがピリッと効いた存在です。

私はテレビドラマのほうは観たことありませんが、大人気だったようですね。

この面白さならそれも頷けます。

次作もまた楽しみに読むとしましょう。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:32| Comment(1) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする