9編を収めた中・短編集。
架空の地マコンド王国の絶対君主、ママ・グランデが病に伏し逝去する混乱を描いた表題作。
それよりも私は最初の「大佐に手紙はこない」に読み応えを感じました。
ボリューム的に中編ということもあるかもしれませんが。
喘息の妻を抱え、15年間恩給を待ち続ける大佐の話です。
毎日の食事にも困る生活をしながら、息子が残した売ればそこそこのお金になる軍鶏を手放すことをしない大佐。
今日こそ恩給が届くだろうと金曜日になると郵便船を出迎えに行きますが、毎回肩透かしです。
最後の言葉が強烈ですね。
たまりかねた妻が大佐の襟をつかみ烈しくゆさぶって言います。
「言ってちょうだい、あたしたちはなにを食べればいいの?」
大佐は言います。
「糞でも食うさ」
う~ん、なんともドライで思いっきり突き放したこの感覚・・・・。
とはいっても、私はこの作家の魅力がいまだに理解できていません。
この作品集も初めて読んだのは25年くらい前だと思いますが、前回読んだときよりは少し楽しめたものの、やはり玉砕といった感じですかね。(笑)
ラベル:海外小説