シリーズ第6弾。
今回は表題作の他、「目黒のさんま」、「まんじゅう怖い」、「蛸芝居」と落語を題材にしています。
元噺家で今は廻船問屋の主である長崎屋五平が毎月噺の会を行なうということで、噺に出てくる食べ物で料理を作ってほしいと季蔵に依頼するのです。
季蔵はそれぞれの話に合わせてどのような料理を作るのか・・・・。
と同時に、やはりなんだかんだと事件が起こります。
黄泉山日之助という胡散臭い祈祷師と中西屋という呉服問屋が手を組んで動いているようなのですが・・・・。
いつも情けないほどレベルの低いこのシリーズですが、今まで読んできた中では今回がいちばんましだったかも。
それでも決して出来がいいとはいえませんが。
ふと気になったのはこの時代に「時そば」やその他の噺があったのかということ。
調べてみますと「時そば」は享保11年の笑話本「軽口初笑」の「他人は喰より」が元であり、明治時代に3代目柳家小さんが上方落語の「時うどん」を江戸話に置き換えたという説があります。
だとしたらこの小説の時代に「時そば」なんて噺はなかったことになります。
つまり時代考証がでたらめだということで・・・・。(笑)
江戸時代を背景にした古典落語といっても作られたのは明治時代以降というのも多いですしね。
ま、実際のところはどうなのか私にはわかりませんけども。