2016年02月29日

2月の一冊

今月は上下巻も勘定に入れまして16冊の読書でした。
   
・「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上・下)」増田俊也
・「空想科学漫画読本」柳田理科雄
・「女面」円地文子
・「日本料理神髄」小山裕久
・「トキワ荘実録 手塚治虫と漫画家たちの青春」丸山昭
・「ひなびたごちそう」島田雅彦
・「辻静雄 食文化研究の先駆者、フランス料理の伝道者」文藝別冊
・「異邦人の夜(上・下)」梁石日
・「そうだったのか! 現代史」池上彰
・「白蝶花」宮木あや子
・「この人に聞きたい青春時代」鹿砦社編集部 編
・「メロンの丸かじり」東海林さだお
・「セーラー服と機関銃」赤川次郎
・「カレーライフ」竹内真

「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上・下)」伝説の柔道家、木村政彦を徹底的に取材したルポタージュ。

著者渾身の力作といえます。

「空想科学漫画読本」、デフォルメがあって当然の漫画を真面目に科学で検証してみる。

馬鹿馬鹿しい面白さがあります。

「女面」、女の執念深さといいますか怨念といいますか。

それに比べると出てくる男たちが無邪気な子供のように思えてしまいます。

「日本料理神髄」、著者の経験や考えを書いた章と対談集の2本立て。

料理に興味を持つものとしてどちらも楽しめました。

「トキワ荘実録 手塚治虫と漫画家たちの青春」、今や伝説のトキワ荘。

古き良きマンガの時代が紹介されています。

「ひなびたごちそう」、著者の食経験やそれにちなんだレシピの紹介。

実用にもなる食エッセイです。

「辻静雄 食文化研究の先駆者、フランス料理の伝道者」、料理界の巨星だった辻静雄。

そんな辻氏を知る永久保存版の一冊です。

「異邦人の夜(上・下)」、日本という国においてわけありな異邦人が生きていくのは決して楽ではありません。

梁石日らしい内容ではありますが、ちょっとまとまりに欠ける気がします。

「そうだったのか! 現代史」、知っているようで知らない現代史。

わかりやすく勉強になりました。

「白蝶花」、時代に翻弄された女性たちの人生。

今がいかに平和で自由な時代かと改めて思わされます。

「この人に聞きたい青春時代」、主に作家をメインとした著名人へのインタビュー集。

さすがに味わい深いものがあります。

「メロンの丸かじり」、シリーズ29冊目とのこと。

それでもまったく衰えることのないクオリティーに脱帽です。

「セーラー服と機関銃」、もう30年以上前の作品です。

懐かしく読み返しました。

「カレーライフ」、カレーをモチーフにした青春小説。

でもカレーにしろ主人公たちの行動にしろちょっと浅かったかな。

今月はノンフィクションがよかったです。

「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上・下)」と「辻静雄 食文化研究の先駆者、フランス料理の伝道者」。

どちらもジャンルは違えど不世出な伝説的人物を紹介しています。

「辻静雄 食文化研究の先駆者、フランス料理の伝道者」は過去にいろんなメディアに発表された記事を編んだアンソロジーといいますか。

貴重な一冊だと思います。

ですが「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上・下)」には著者の渾身の取材がひしひしと感じられます。

その労力は相当なものだったはず。

今月の一冊に選ばせていただきます。

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2016年02月27日

「カレーライフ」竹内真

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洋食屋を営んでいた祖父が急死します。

その葬儀の夜、まだ小学生だった5人のいとこたちは大人になったらカレー屋をやろうと約束します。

それから何年か経ち、もうすぐ20歳になろうとする主人公のケンスケは調理師学校を卒業し、父から祖父の店を譲り受けることになり、いとこたちに声をかけつつカレー屋の道を進み始めることになります。

しかしその約束は子供の頃のことであり、他のいとこたちは覚えてなかったり今更そんなことを言われてもというような反応だったり。

それでもいとこの中のひとり、ワタルと一緒に動き始めます・・・・。

750ページのボリュームです。

ですがこれほどの枚数を費やすほどの内容ですかね。

カレーといえばバーモントだろうと、いとこのヒカリが留学しているアメリカのバーモント州に行ってみたり。

世界を放浪しているサトルが現在インドにいるということでカルカッタまで行ってみたり。

祖父のカレーにラフテーが入っていたということで沖縄に行ってみたり。

カレーといえばバーモントなんて馬鹿なことを思い込んでアメリカまで行きますか。

行ってみたらバーモントにカレーはなかったとか、アホかと。(笑)

インドに行ってカレー粉やスパイスのことを知るとか。

沖縄料理にランチョンミートが使われていることを知らなかったり泡盛のことを知らなかったり。

パターンがまるで漫画の「美味しんぼ」をなぞっているかのようで、紹介されるデータは今さらで新鮮味がありません。

カレー屋を目指すというメインの話に祖父の謎なども絡めた青春小説ですが、ボリュームの割には内容が薄く肩透かしでした。

どうにかこうにか祖父のエピソードで持ちこたえていますかね。

ラベル:グルメ本 小説
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2016年02月25日

「セーラー服と機関銃」赤川次郎

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父を事故で亡くしたばかりの女子高生、星泉。

学校前に車で現れたヤクザたちに拉致(?)され、連れて行かれたのはオンボロ事務所の目高組。

なんと亡くなった先代の親分の遺言で目高組の組長になってほしいとのことなのですが・・・・。

35年ぶりくらいの再読です。

赤川次郎は初期の短編集などよく読みました。

この作品は女子高生がヤクザの組長になるという設定。

それを「セーラー服と機関銃」というタイトルで表現するあたり、赤川次郎のセンスですね。

上手い。

おそらく『もし女子高生がヤクザの組長になったら・・・・』というよりも、“セーラー服”と“機関銃”という異質な組み合わせから発想を膨らませたのではないかと推測します。

以前に自身の創作について書かれたエッセイで、そのような異質のものをバッティングさせて話を創ることがあるというようなことを読んだ記憶があります。

あまり文章の上手い作家さんではありませんがアイデアはさすが。

そして軽くてするすると読めます。

本格的なミステリーファンからすればあまり歓迎できないかもしれませんが。

いくらしっかりした気の強い女子高生とはいえ自分の周りで何人もの人間が殺されたりすればまともな精神状態でいられるわけないだろうとか、ヤクザの大親分に機関銃ぶっぱなしてそのあとただで済むわけないだろうとか、こんなことがあれば日本中が大騒ぎになっているだろうとか、ツッコミ所は満載です。

でもそれを言い出すとそもそも“セーラー服”と“機関銃”なんてありえないわけで。(笑)

細かいこと言いっこなしのユーモアミステリーとして楽しむべきなんでしょう。

でもラストはちょっぴりホロッとさせられたりして。

ちなみにこの本の表紙は薬師丸ひろ子。

やっぱりこれですね。(笑)

ラベル:小説
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2016年02月23日

「メロンの丸かじり」東海林さだお

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家に帰ったらテーブルの上にメロンが置いてあったとします。

それを見て何の感慨もわかないという人はいないと東海林センセイは語ります。

なるほどたしかにメロンは果物の中でも別格感がありますね。

これがミカンやリンゴだったらどうでしょう。

「あっそ」でおしまい。

メロンだと「おおっ、メロンか!」となりますもんね。

もちろんそのようなシチュエーションで考えられるのは「来客があったんだな」と。

ですよねぇ。

1個1万円もするようなメロンを自宅用にと買う人はいないでしょう。

購入するときに「ご進物」ですかと訊かれ、「いえ、自宅用です」と一度言ってみたいと。(笑)

私にはまったく縁のない話ですけどね。

でも私、メロンってさほど好きではなく美味しいと思わないんですよね。

なのであえて食べたいとは思いません。

これって負け惜しみでしょうか。(笑)

ラベル:グルメ本
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2016年02月21日

「この人に聞きたい青春時代」鹿砦社編集部 編

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インタビュー集です。

前書きによると60年~70年代に青春を過ごされた人たちということで。

登場するのは筒井康隆立松和平清水義範、中村敦夫、落合恵子の5人。

本の趣旨としてはまったく目新しいものではありません。

ただ単に青春時代をインタビューしているというだけですから。

しかし登場する人たちが皆第一線で活躍する一流の人たちですからね。

このような人たちが当時どのような考えを持ち、どのような道を選択してきたのか。

これはやはり拝聴(拝読)するに値あるでしょう。

それぞれの道で才能を発揮され成功を収めてこられた人たちが語る青春時代、味わいと重みがあります。

posted by たろちゃん at 04:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ろ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする