今月は上下巻も勘定に入れまして16冊の読書でした。
・「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上・下)」増田俊也
・「空想科学漫画読本」柳田理科雄
・「女面」円地文子
・「日本料理神髄」小山裕久
・「トキワ荘実録 手塚治虫と漫画家たちの青春」丸山昭
・「ひなびたごちそう」島田雅彦
・「辻静雄 食文化研究の先駆者、フランス料理の伝道者」文藝別冊
・「異邦人の夜(上・下)」梁石日
・「そうだったのか! 現代史」池上彰
・「白蝶花」宮木あや子
・「この人に聞きたい青春時代」鹿砦社編集部 編
・「メロンの丸かじり」東海林さだお
・「セーラー服と機関銃」赤川次郎
・「カレーライフ」竹内真
「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上・下)」伝説の柔道家、木村政彦を徹底的に取材したルポタージュ。
著者渾身の力作といえます。
「空想科学漫画読本」、デフォルメがあって当然の漫画を真面目に科学で検証してみる。
馬鹿馬鹿しい面白さがあります。
「女面」、女の執念深さといいますか怨念といいますか。
それに比べると出てくる男たちが無邪気な子供のように思えてしまいます。
「日本料理神髄」、著者の経験や考えを書いた章と対談集の2本立て。
料理に興味を持つものとしてどちらも楽しめました。
「トキワ荘実録 手塚治虫と漫画家たちの青春」、今や伝説のトキワ荘。
古き良きマンガの時代が紹介されています。
「ひなびたごちそう」、著者の食経験やそれにちなんだレシピの紹介。
実用にもなる食エッセイです。
「辻静雄 食文化研究の先駆者、フランス料理の伝道者」、料理界の巨星だった辻静雄。
そんな辻氏を知る永久保存版の一冊です。
「異邦人の夜(上・下)」、日本という国においてわけありな異邦人が生きていくのは決して楽ではありません。
梁石日らしい内容ではありますが、ちょっとまとまりに欠ける気がします。
「そうだったのか! 現代史」、知っているようで知らない現代史。
わかりやすく勉強になりました。
「白蝶花」、時代に翻弄された女性たちの人生。
今がいかに平和で自由な時代かと改めて思わされます。
「この人に聞きたい青春時代」、主に作家をメインとした著名人へのインタビュー集。
さすがに味わい深いものがあります。
「メロンの丸かじり」、シリーズ29冊目とのこと。
それでもまったく衰えることのないクオリティーに脱帽です。
「セーラー服と機関銃」、もう30年以上前の作品です。
懐かしく読み返しました。
「カレーライフ」、カレーをモチーフにした青春小説。
でもカレーにしろ主人公たちの行動にしろちょっと浅かったかな。
今月はノンフィクションがよかったです。
「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上・下)」と「辻静雄 食文化研究の先駆者、フランス料理の伝道者」。
どちらもジャンルは違えど不世出な伝説的人物を紹介しています。
「辻静雄 食文化研究の先駆者、フランス料理の伝道者」は過去にいろんなメディアに発表された記事を編んだアンソロジーといいますか。
貴重な一冊だと思います。
ですが「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上・下)」には著者の渾身の取材がひしひしと感じられます。
その労力は相当なものだったはず。
今月の一冊に選ばせていただきます。