2016年02月05日

「女面」円地文子

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夫を亡くしたあとも短歌雑誌を主宰する姑の三重子と一緒に暮らしている泰子。

まだ若く美しい泰子に伊吹と三瓶という男たちが思いを寄せます。

泰子もその二人に対してはまんざらでもない態度を取るのですが、どうも煮え切りません。

どうやら三重子の影響が大きすぎるようです。

やがて泰子は伊吹と男と女の関係になります。

しかしそれにも三重子の意図があったのです・・・・。

この作品で描かれているのは三重子と泰子という女のしたたかさと怖さです。

作中で三重子が源氏物語について書いた随筆があるのですが、これが三重子の恋愛観・人生観であり、その奥には作者の主張があります。

女性の登場人物でもうひとり三重子の娘で春女という女がいるのですが、白痴という設定です。

この春女がいろいろと含みのある三重子や泰子と対照的であり、何も考えることなくただ雌としての存在として描かれています。

そんな女たちに男たちは振り回されるわけですが、やはり女のほうが一枚も二枚も上手なんだなと思わされます。

裏のある女に比べたら単純な男なんてかわいいものです。(笑)

ただ三重子が泰子と春女を使ってまで実行する企みの執念が私にはわからない。

そんなことしたからってどうなるの? という思いです。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする