2016年03月08日

「ちょっと今から仕事やめてくる」北川恵海

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中堅の印刷関係企業に勤める隆。

上司にボロクソ言われ、夜遅くの残業や休日出勤は当たり前。

心身ともに疲れ果て鬱状態になった隆は、無意識のうちにふと駅のホームで飛び込みそうになります。

とっさに腕をつかんでそれを引き止めたのがヤマモトという男。

小学生のときに大阪に引っ越していった同級生だというのですが、隆には覚えがありません。

しかし大阪人のノリで強引に飲みに誘われ、なんだかよくわからないながらも久しぶりに楽しいと思える時間を過ごします。

その後ヤマモトと付き合いが始まり何かと生活に張りが出てくるのですが、実は同級生だったヤマモトは海外に留学中であることがわかります。

ではアイツはいったい何者なのかとヤマモトのフルネームでネット検索してみると、3年前に自殺した男であったことが判明します・・・・。

鬱病を患っている人が今すごく多いようですね。

有名人の自殺などもときおりニュースで見ます。

そしてサラリーマンも。

ブラック企業なんて言葉も生まれていますが、そんな中で心身を衰弱させてしまう人たちがいます。

この作品ではまさしくそういうのを取り上げているわけですが、やはり日々の中にどこか救いがありませんとね。

隆の場合ヤマモトの存在が精神を上向きにさせてくれるのですが、どうもこのふたりの付き合いというか距離に違和感がありました。

男同士の友情とはいえ、ちょっとベタつき過ぎやろと。(笑)

女性の主要キャラが登場せず隆とヤマモトでひたすら話が進んでいくあたり、ちょっとBL的でもありますね。

ヤマモトを女性ではなく男性のキャラに設定したのは、やはり女性作家だなと思いました。

女性から見た男同士の友情という気がします。

しかし男女かかわらず主人公のように行き詰っている人たちが読めば、昨日までとは違った視点を得ることができるかもしれません。

最後の章が蛇足のようにも思えますが。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 『き』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする